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装置産業 そうちさんぎょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

装置産業
そうちさんぎょう

原料から完成品にいたる生産工程において,その大部分装置によって処理されるような産業をいう。技術革新により飛躍的に発展した。たとえば石油化学工業鉄鋼業セメント産業,製紙産業などがその典型である。これらはおのおのその装置の中で化学的処理をされるものが多く,規模によるメリットが大きい。その反面,操業小回りがきかず,過剰な設備増設に陥りやすいなどの難点をもつ。石油化学コンビナートはその特長を最もよく生かした生産形態である。

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デジタル大辞泉の解説

そうち‐さんぎょう〔サウチサンゲフ〕【装置産業】

生産工程が大規模な装置によって構成され、自動化されている産業。石油化学工業鉄鋼業など。

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世界大百科事典 第2版の解説

そうちさんぎょう【装置産業 process industry】

生産工程の中心に大型の装置を採用している,鉄鋼,アルミ製錬,石油精製,石油化学,窯業(セメント,ガラス),合成繊維工業,紙・パルプ工業製油製粉などの工業をいう。一般に,装置が大きいほどエネルギー効率製品歩留りがよくなり,大型化によるコスト低下の効果(スケール・メリット)が大きい。また鉄鋼業,石油化学工業などでは,原料から製品まで何段階もの装置の組合せによって,一貫した生産体系が完結するから,一貫製鉄所や石油化学コンビナートが形成される。

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大辞林 第三版の解説

そうちさんぎょう【装置産業】

大型の設備・装置を必要とする産業。石油化学工業などはその典型。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

装置産業
そうちさんぎょう
process industry

生産工程の中心部に設置された大型中心装置の生産能力にあわせて、その前後に必要な処理能力を備えた各種装置が配置され、各装置の自動化(自動制御)と装置間の送りの自動化(ベルトコンベヤー、パイプライン)を通じて、労働者数や輸送費を減らし、生産性向上(合理化)を図っている産業をいう。鉄鋼、アルミ製錬、石油精製、石油・石炭化学、窯業(セメント、ガラス)、合成繊維、紙・パルプ、精糖・製油・製粉など素材型産業で、労働装備率や資本集約度が高く、巨額の資本を必要とするものに多い。一般に、装置の大型化、高速化、稼動率の引上げは、エネルギー効率や製品歩留りを高め、コスト低下の効果(スケール・メリット)を生み、経営の効率性を高める。
 日本では、1950年代なかばから70年代初頭の高度成長期に、大企業によって、工場の新設と大型化のための巨額の設備投資が行われ、世界有数の巨大設備をもつ装置産業が発展した。とくに、鉄鋼、石油化学では、連続製鋼や原料の総合利用のため、各種製品の製造工程における技術・生産・立地上の統一性が追求され、「規模の経済性」を実現する場として、一貫製鋼工場や石油化学コンビナートの形成がみられた。
 装置産業における装置の大型化は、生産技術水準に応じた最適規模と最大需要にあわせて行われる。そのため、好況時には経営効率が著しく高まる反面、景気後退時には、需給ギャップによる稼動率の低下、減産による固定費負担の増大、ひいては業界全体の過剰設備問題を生み出す。1973年(昭和48)の石油危機以降、低成長経済への移行に伴い、日本の装置産業の多くは、エネルギー・コストの上昇と需要減退から、アルミ、紙・パルプなどを先頭に構造不況産業に陥ったものが多い。このうち、エネルギー多消費型の紙・パルプ工業は合理化・省エネルギー対策と自家発電比率の向上(74.5%、1996年現在)と情報化の進展による高加工度紙等の需要増加により、アメリカに次ぐ世界第2位の位置を維持している。「電気の缶詰」といわれるアルミ新地金の精錬は、電力コストの内外格差と円高のあおりで一事業所を残して全滅し、アメリカに次ぐ世界第2位の新地金消費量の99%(1996年現在)を輸入に依存している。その他の装置産業の生産高は、「重厚長大」型産業の比率低下のなかで、90年代を通じてほぼ横ばいで推移している。[殿村晋一]

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世界大百科事典内の装置産業の言及

【産業分類】より

… また,製造業の内分類として,自動車や電機などの産業を加工組立産業,技術進歩の影響度が高い産業を技術集約型産業,ハードウェアよりもソフトウェアが重要なコンピューター産業などを知識集約型産業などという場合もある。また石油化学,石油精製,鉄鋼,非鉄など大型の生産設備を採用している産業を装置産業という。製品1単位当りの資源・エネルギー消費量の多い産業を資源・エネルギー多消費型産業と呼んだりもする。…

※「装置産業」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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