神西清(読み)ジンザイ キヨシ

20世紀日本人名事典 「神西清」の解説

神西 清
ジンザイ キヨシ

昭和期の小説家,評論家,翻訳



生年
明治36(1903)年11月15日

没年
昭和32(1957)年3月11日

出生地
東京市牛込区袋町(現・東京都新宿区)

学歴〔年〕
東京外国語学校(現・東京外国語大学)露語部科〔昭和3年〕卒

主な受賞名〔年〕
池谷信三郎賞(第3回・昭12下)〔昭和13年〕,芸術選奨文部大臣賞・文学・評論部門(第2回・昭26)〔昭和27年〕

経歴
東京外語時代に「箒」を創刊し 早くから詩、戯曲、翻訳を発表。大学卒業後は北大図書館に勤務し のち「山繭」に参加。北大を退職し、ソ連通商部に勤務。昭和5年「快復期」を発表、その一方で多くのロシア文学を翻訳し、13年ガルシンの翻訳で池谷信三郎賞を受賞。詩、小説、評論、翻訳と幅広く活躍し、小説の代表作に「灰色の眼の女」「春泥」「鸚鵡」「雪の宿り」「少年」などがあり、翻訳もチェーホフなど数多い。一高で知りあった堀辰雄終生の友で、最高の理解者だった。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「神西清」の意味・わかりやすい解説

神西清
じんざいきよし
(1903―1957)

小説家、翻訳家、評論家。東京・牛込に生まれる。一高理科甲類に入学、堀辰雄(たつお)を知った。東京外国語学校(現東京外国語大学)露語部文科を卒業、ソ連通商部勤務を経て、チェーホフ、ガルシンなどの翻訳に従事したが、小説にも筆をとり、第一短編集『垂水(たるみ)』を1942年(昭和17)に刊行した。第二次世界大戦後は新たにシャルドンヌなどを訳出し、チェーホフ『ワーニャ伯父さん』の訳で文部大臣賞を受賞(1952)、また博大な教養と鋭い美意識を生かした『雪の宿り』(1946。のち作品集『灰色の眼(め)の女』に収録)をはじめとする歴史小説では、新たな古典的文学創造者として注目された。評論集に『詩と小説のあひだ』(1947)、『散文運命』(1957)がある。

[大橋毅彦]

『『神西清全集』全6巻(1961~76・文治堂書店)』『『灰色の眼の女』(中公文庫)』

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百科事典マイペディア 「神西清」の意味・わかりやすい解説

神西清【じんざいきよし】

小説家,翻訳家。東京生れ。東京外語露文卒。一高時代堀辰雄を知り,同人雑誌四季》《文学界》に参加。戦後は《批評》同人。小説《雪のやどり》《灰色の眼の女》,評論《散文の運命》などのほかチェーホフゴーリキー等のすぐれた翻訳がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「神西清」の意味・わかりやすい解説

神西清
じんざいきよし

[生]1903.11.15. 東京
[没]1957.3.11. 東京
小説家,評論家,翻訳家。第一高等学校中退,1928年東京外国語学校卒業。一高在学中,堀辰雄を知り,以後小林秀雄らの『山繭』を経て,『四季』の編集にも堀と行動をともにした。作品に『恢復期』 (1930) ,『垂水』 (42) ,『灰色の眼の女』 (46) などがあるが寡作で,むしろ A.チェーホフ,F.ドストエフスキー,A.プーシキン,I.ツルゲーネフ,V.ガルシン,A.ジッド,H.バルザックなどロシア,フランス文学の翻訳で名声を得た。かたわら,鋭い感受性と冷徹な分析によりすぐれた評論『詩と小説のあひだ』 (47) などを書いた。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「神西清」の解説

神西清 じんざい-きよし

1903-1957 昭和時代の小説家,翻訳家。
明治36年11月15日生まれ。ソ連通商部勤務をへて,文筆生活にはいる。チェーホフ「ワーニャ伯父さん」などロシア文学やフランス文学の翻訳を手がけたほか,小説「灰色の眼の女」「少年」や評論「詩と小説のあひだ」などで注目された。昭和32年3月11日死去。53歳。東京出身。東京外国語学校(現東京外大)卒。

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367日誕生日大事典 「神西清」の解説

神西 清 (じんざい きよし)

生年月日:1903年11月15日
昭和時代の小説家;評論家
1957年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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