ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「福沢桃介」の意味・わかりやすい解説
福沢桃介
ふくざわももすけ
[没]1938.2.15. 東京
明治・大正期の実業家。福沢諭吉の二女ふさの娘婿。農業を営む岩崎紀一の二男に生まれ,1887年慶應義塾を卒業,諭吉の援助でアメリカへ渡り,ペンシルバニア鉄道で見習いをする。 1889年帰国して北海道炭礦鉄道,王子製紙などに勤務したが,その間2度肺結核を患って退社。入院中に株に興味をもったのをきっかけに天下の相場師と呼ばれるまでになり,投機で財をなす。その後,松永安左エ門と鉄道会社を創設。また電源開発にも手腕を発揮し,八百津発電所,矢作水力,大阪送電,大同電力などを設立。東海道電気鉄道,名古屋電燈など,設立や経営に関係した会社は 100社に及ぶ。反面,奔放な遊び人としても知られ,役者・川上音二郎の妻であった川上貞奴との艶聞を隠そうとはしなかった。
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