黒八丈(読み)くろはちじょう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

黒八丈
くろはちじょう

黒色無地の絹布。略して黒八ともいう。生糸カバノキ科の落葉高木ヤシャブシの液に入れて煮出してのち,鉄分を多く含んだ泥土にもみ込む。ヤシャブシに含まれるタンニン泥中の鉄分が化合して純黒色に染まる。東京都あきる野市五日市付近を中心に産し,泥染と称したが,現在ではほかの機業地へ移った。主として和服半襟袖口や畳の縁などに使用される。

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デジタル大辞泉の解説

くろ‐はちじょう〔‐ハチヂヤウ〕【黒八丈】

黒色で、織り目を横に高くした絹織物。半襟・袖口などに用いる。初め、八丈島で織ったのでこの名がある。東京都あきる野市五日市の特産。黒八。

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百科事典マイペディアの解説

黒八丈【くろはちじょう】

黒八とも。よこ畝(うね)を表した黒色の絹織物。もと武蔵五日市が主産地であったので〈五日市〉とも称する。本来は織糸をヤシャブシで染めた。染色,地質とも丈夫で丹前,はんてんなどのそで口布やかけ衿に使われた。なお黄八丈のうち黒糸が主体となったものも黒八丈という。

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大辞林 第三版の解説

くろはちじょう【黒八丈】

黒色無地の厚手の絹織物。掛け襟・袖口などに用いる。東京都五日市いつかいちの特産で「五日市いつかいち」とも。黒八。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

黒八丈
くろはちじょう

絹織物の一種で、黒みを帯びたタンニン媒染の着尺地。黄(き)八丈などに対し、黒八丈または略して黒八という。東京都あきる野市付近から産したもので、近世末期には黒八丈の名でよばれていた。染色に際し、鉄分を含んだ泥土に浸漬(しんし)して発色させたが、のち硝酸鉄により酸化させた。袖口(そでぐち)、半衿(はんえり)に使われる。[角山幸洋]

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精選版 日本国語大辞典の解説

くろ‐はちじょう ‥ハチヂャウ【黒八丈】

〘名〙 絹織物の一種。緯(よこいと)を鉄分を含む泥土液に浸して、タンニンの黒染にした織物。太い緯を織り込むから平織ではあるが、横うねが現われる。東京都あきる野市五日市の特産であった。半襟、袖口等に用いる。黒八。
※人情本・春色梅児誉美(1832‐33)七「その身になりて見るときは、松坂織の花色裏、紫太織に黒八丈(クロハチデウ)の鯨帯せし娘にも、おとる気がねは」

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