種間寺(読み)たねまじ

日本歴史地名大系 「種間寺」の解説

種間寺
たねまじ

[現在地名]春野町秋山

春日かすがにある真言宗豊山派寺院で、四国八十八ヵ所三四番札所。本尾山朱雀院と号し、本尊薬師如来。寺号は、弘法大師が唐から持帰った穀物の種をここにまいた故事によるという。「古事談」や「十訓抄」に「胤間寺」とみえ、当国の在庁官人が約束した大般若経書写の費用を支払わなかったため、奉納供養のとき、経巻が空に舞いあがり白紙となったという話を記す。この経巻は白字大般若経と称されたが、冷泉院のとき禁中に納められたという(南路志)

創建年代は不詳であるが、聖徳太子の摂津四天王寺創建にたずさわった百済の仏工達が、帰国の途次難破してこの地に漂着、滞在中に前途の海上安全を祈願して薬師如来を刻み、当寺を建立し安置したと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「種間寺」の解説

種間寺

高知県高知市春野町にある寺院。真言宗豊山派。山号は本尾山、院号は朱雀院。寺の名は弘法大師(空海)が唐から持ち帰った五穀の種を境内に蒔いたという故事に由来する。本尊の薬師如来坐像平安時代の作で、国の重要文化財に指定。四国八十八ヶ所霊場第34番札所。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の種間寺の言及

【春野[町]】より

…イグサや花卉栽培も行われる。秋山には四国八十八ヵ所34番札所の種間(たねま)寺がある。寺号は弘法大師が唐から持ち帰った穀物の種をここにまいたという故事によるという。…

※「種間寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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