空家対策特別措置法(読み)あきやたいさくとくべつそちほう

日本大百科全書(ニッポニカ)「空家対策特別措置法」の解説

空家対策特別措置法
あきやたいさくとくべつそちほう

倒壊の恐れや衛生・景観上問題のある空家の解消を進めるための法律。正式名称は「空家等対策の推進に関する特別措置法」(平成26年法律第127号)。2014年(平成26)11月に成立し、2015年2月に一部施行、同年5月に完全施行された。市区町村は(1)倒壊などの危険性がある、(2)ごみの放置や悪臭などで衛生上有害である、(3)著しく景観を損なっている、(4)周辺の生活環境保全のために放置することが不適切である、などの問題のある家屋、店舗、工場などの空家を「特定空家等」に指定し、所有者に解体・撤去、修繕、立ち木や竹などの伐採を助言、指導、勧告、命令できる。行政代執行などの強制力を伴う措置も可能になった。また、市区町村は空家への立入調査や、空家の所有者を特定するために固定資産税の納税者情報を利用できるようになった。勧告後、特定空家等に対する固定資産税の優遇措置(最大6分の1に軽減)を解除し、立入調査の拒否には20万円以下の過料を、修繕命令違反には50万円以下の過料などを、それぞれ科すことができる。自治体によっては、空家対策を進めるため、解体等に要する費用の補助を行っている。

 総務省の調査では、2003年に全国で約659万戸あった空家が2018年には約846万戸に増え、住宅全体に占める空屋率は13.6%に達している。人口減少や高齢化により十分に管理が行き届かない空家が増えており、市街地の空洞化を招くだけでなく、火災や倒壊などで地域住民の生命、財産、暮らしを脅かすおそれがある。なお、2018年度末時点で本法に基づく空家対策計画を策定している地方自治体は全市区町村の約6割となる1051団体。また、同年度末までに市区町村長が助言・指導を行った1万5586件のうち、勧告を行ったものは922件、命令を行ったもの111件、代執行を行ったものは165件であった。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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