日本大百科全書(ニッポニカ) 「空気タービン」の意味・わかりやすい解説
空気タービン
くうきたーびん
air turbine
高温高圧ガスのかわりに高圧空気を用いるタービン。作動原理は蒸気タービン、ガスタービンと同じで、高圧の空気を膨張させて動力源としたり、膨張による温度降下によって空気を液化するのに用いたりする。形式は他のタービンと同じで、空気がタービン羽根車を軸方向に通る軸流式と、半径方向に流れる遠心式がある。軸流式は大量の空気を流すのに適しており、大型のプロペラ送風機や高速で回転する遠心ポンプなどの動力として用いられる。遠心タービンは小流量の空気を流すのに適しており、小型で高速回転するものが多く、超高速遠心分離機、研削用砥石(といし)の動力、ガスタービンなどの始動用動力などに用いられる。また空気などを液化するのにも遠心タービンが用いられている。
空気タービンは蒸気タービンのように水などを必要とせず、またガスタービンのように高温で有害な排気ガスが出ない。そのためきれいな動力源であり、しかも、出力のわりに小型であり、高速回転であるという特長がある。
[吉田正武]