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…浄土教の曇鸞(どんらん)がここに遊び聖跡に感じて出家した話は有名であるが,大塔院寺等いわゆる台中百ヶ寺の基礎が置かれたのも,このころである。窺基は弟子を率いて福田を行い,澄観は華厳寺で華厳,法華を講義,《華厳経疏》をあらわし,また高麗の慈蔵,北インドの仏陀波利,日本の玄昉(げんぼう)など外国僧の入山も相次いだ。ことに不空三蔵が金閣寺,玉華寺の営構と密教の興隆に尽力してから五台山の名はアジア各地に知られるようになり,日本の霊仙や円仁をはじめ,宋代にも盛算,奝然(ちようねん),成尋(じようじん)など足跡を残した者が多い。…
…中国仏教十三宗の一つ。中インドのナーランダ寺で戒賢に師事した玄奘(げんじよう)が,唐初に帰国して伝えた護法(ダルマパーラ)の《成唯識論(じようゆいしきろん)》の学説に基づき,《解深密経》《瑜伽論》などを所依の経論として,慈恩大師窺基(きき)が開宗した宗派。唯識宗,慈恩宗などともよぶ。…
…この唯識派の思想が中国にもたらされ,地論宗,摂論宗(真諦の系統),法相宗(玄奘の系統)の三つの学派が成立した。とくに最後の法相宗は,17年にわたるインド留学を果たした玄奘とその弟子である窺基(きき)によって創立された学派であり,唐代には一大勢力を得て栄えた。この法相宗は,中国への留学僧たちによって飛鳥・奈良時代の日本に伝えられ,日本法相宗が成立した。…
※「窺基」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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