立作太郎(読み)タチ サクタロウ

20世紀日本人名事典 「立作太郎」の解説

立 作太郎
タチ サクタロウ

明治〜昭和期の国際法学者,外交史学者



生年
明治7年3月15日(1874年)

没年
昭和18(1943)年5月13日

出生地
東京

学歴〔年〕
東京帝国大学法科〔明治30年〕卒

学位〔年〕
法学博士〔明治38年〕

経歴
大学院で国際公法を専攻し、明治33年からヨーロッパ留学する。東京帝大助教授を経て、37年教授に就任し、国際法、外交史を担当、国際法の理論を体系化する。また外務省海軍省顧問としても活躍し、大正7年のベルサイユ講話会議、10年のワシントン海軍軍縮会議などに随員として参加し、昭和10年常設仲裁裁判所判事となった。著書に「平時国際法論」「戦時国際法論」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「立作太郎」の意味・わかりやすい解説

立作太郎 (たちさくたろう)
生没年:1874-1943(明治7-昭和18)

国際法学者。東京生れ。1897年東京帝国大学法科大学政治学科を卒業後ただちに大学院に進学。フランス,イギリスドイツへ留学ののち,1904年に母校の教授となり,外交史と国際法を担当する。08年に法学博士。訳書をはじめ,非常に多数の著書・論文を発表したが,なかでも《平時国際法論》(1930)と《戦時国際法論》(1931)は,国際法に関する日本ではじめての本格的な体系書として高く評価されている。外務省の嘱託として,多数の国際会議出席した関係もあって,《時局国際法論》(1934),《現実国際法諸問題》(1937)など,時事問題を扱った著作も多い。20年,帝国学士院会員となった。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「立作太郎」の意味・わかりやすい解説

立作太郎
たちさくたろう

[生]1874.3.15. 東京
[没]1943.5.13. 東京
国際法学者。旧幕臣で,のち外務省翻訳官をつとめた嘉度 (広作) の子。 1900年ヨーロッパに留学,04年帰国後ただちに東京大学の外交史担当の初代教授 (1904~35) となり,のちに国際法も合せて担当した。法学博士。学士院会員。ロンドン海戦法会議 (04) ,パリ講和会議 (19) ,ワシントン会議 (22) ,ハーグ国際法典会議 (30) などに専門委員または随員として出席した。日本における外交史研究の開拓者であるとともに,従来の翻訳型国際法学を脱した実証的国際法学により,近代的国際法学を確立した。主著戦争と国際法』 (16) ,『平時国際法論』 (30) ,『戦時国際法論』 (31) ,『国際連盟規約論』 (32) ,『米国外交上の諸主義』 (42) など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「立作太郎」の意味・わかりやすい解説

立作太郎
たちさくたろう
(1874―1943)

国際法学者。東京生まれ。1897年(明治30)東京帝国大学法科大学政治学科卒業。1900年(明治33)外交史研究のためイギリス、ドイツ、フランスに留学、04年帰国後東京帝国大学教授となり、外交史、のち国際法を担当。05年法学博士、20年(大正9)日本学士院会員となる。また、09年ロンドン海戦法規会議、19年パリ講和会議、22年ワシントン会議、30年(昭和5)ハーグ国際法典編纂(へんさん)会議に出席。34年に定年退官し同大学名誉教授となる。この間30年にわたり国際法を講義、退官後も多くの研究書を著した。日本におけるオーソドックスな国際法学の創始者で、ホールやオッペンハイムの研究の基礎のうえに、独自の丹念で綿密な研究を積み重ね、実証的国際法学を樹立した。学問一筋に生きた学者で、国際法と外交史に関する著書、論文がきわめて多く、主著には『平時国際法論』(1930)、『戦時国際法論』(1931)などがある。

[池田文雄]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「立作太郎」の解説

立作太郎 たち-さくたろう

1874-1943 明治-昭和時代前期の国際法学者。
明治7年3月15日生まれ。立嘉度(よしのり)の子。明治33年ヨーロッパに留学。帰国後東京帝大教授となり,外交史,国際法を担当。外務省の嘱託もつとめ,パリ講和会議,ワシントン会議などの国際会議に参加。昭和18年5月13日死去。70歳。東京出身。東京帝大卒。著作に「平時国際法論」「戦時国際法論」など。

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367日誕生日大事典 「立作太郎」の解説

立 作太郎 (たち さくたろう)

生年月日:1874年3月15日
明治時代-昭和時代の国際法・外交史学者
1943年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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