立込む(読み)タテコム

デジタル大辞泉 「立込む」の意味・読み・例文・類語

たて‐こ・む【立(て)込む】

[動マ五(四)]
1か所に多くの人が集まって混雑する。込み合う。「売り場に客が―・む」
仕事用件一時に多く重なる。「仕事が―・んで休日もとれない」
[動マ下二]たてこめる」の文語形
[類語]込む込み合うごった返すごたつくひしめくひしめき合う混雑する雑踏ざっとうする

たち‐こ・む【立(ち)込む/立ち籠む】

[動マ五(四)]
ある場所に集まって込み合う。混雑する。たてこむ。「境内参詣の人々で―・んでいる」
「ことに人多く―・みて」〈徒然・四一〉
川釣りで、川の中に入って立ち、釣り糸を垂れる。「深みに―・みアユをねらう」
[動マ下二]たちこめる」の文語形。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「立込む」の意味・読み・例文・類語

たて‐こ・む【立込・建込】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
  2. こみあう。また、多人数が一か所に集まって、混雑する。
    1. [初出の実例]「建込んで利そふもない灸を居」(出典:雑俳・俳諧觿‐一(1768))
  3. たくさんの用事、仕事などが一時に重なる。予定、日程などがぎっしり詰まる。
    1. [初出の実例]「暮で用が立(タ)て込(コ)んでゐて来られない」(出典:永日小品(1909)〈夏目漱石泥棒)
  4. 家などがぎっしりと立ち並ぶ。
    1. [初出の実例]「世をそむくには邪魔な脇差 立込んで僧房多き中に小柴垣〈其角〉」(出典:俳諧・句兄弟(1694)中)

たて‐こ・む【立込・閉込】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行四段活用 〙たてこめる(立込)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「病人と申、一間なる所へたて込(コミ)夜明て見るに、惣身(そうみ)黒木のごとし」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)三)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙たてこめる(立込)

たち‐こ・む【立込・立籠】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 ( 「たち」は接頭語 ) 人または馬、車などが多くはいり込む。混雑する。たてこむ。
    1. [初出の実例]「けだものは、やうかいをふせたらんやうに、おなじうへにたちこみたるに、わけ入て」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 他マ下二 〙たちこめる(立込)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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