(読み)うけ

日本大百科全書(ニッポニカ)「筌」の解説


うけ

を誘い入れて漁獲する(かご)状の漁具雑漁具)。おもに材を編んでつくった筒状のものが多いが、目的とする水産動物によって多少形状が異なる。合成樹脂製のものも多く使われている。おもにウナギ、フナなどの淡水の小魚を対象とし、それらの生息する場所に設置する。漁具の仕掛けは、入りやすく出にくい構造にしており、その中に(えさ)を入れて水中に沈め、獲物を誘い入れて捕獲する。地方により、モジリ、セン、ドウ、ツツ、カゴ、サガリ、モンドリ、モドリ、マンドウなどとよばれる。

[吉原喜好]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「筌」の解説

もんどり【筌】

〘名〙 魚を捕えるためのかご。細い割竹を用いて、徳利形に編んで、中に魚がはいると出られなくなるようにしたもの。うえ。
※俳諧・大悟物狂(1690)「ぼとぼととたたいて濁す水〈補天〉 むなしくさげてかへる(モンドリ)〈来山〉」

うえ うへ【筌】

〘名〙 川の流れなどに仕掛けて、魚を捕る道具。割り竹をかご状に編み、はいった魚が出られないようにくふうされたもの。うけ。おけ。やな。《季・冬》
古事記(712)中「時に筌(うへ)を作(ふ)せて魚を取る人有りき」

せん【筌】

〘名〙 水中に入れ、魚を誘い入れて捕える漁具。竹・金属・木などで籠の形に作ったもの。ふせご。うけ。うえ。
※懐風藻(751)遊吉野川〈藤原宇合〉「忘筌陸機海、飛繳張衡林」

あげ【筌】

〘名〙 漁具の一種。木の、割り竹などを籠の形に編んで作り、中に餌を入れて水中に沈めておき、中にはいった魚を捕えるようにしたもの。

うけ【筌】

〘名〙 =うえ(筌)
※言塵集(1406)三「うへふせをきてとは 魚の筌(ウケ)の事也。江池などにしづめてうほをとる物也」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内のの言及

【うけ(筌)】より

…捕獲対象の魚種によって大きさや形は多様であり,その名称も〈胴〉など地域によっていろいろであった。最も普遍的に使用された横筌について構造をみると,竹や樹枝などの細棒を縄や蔓などで編んで筒状にし,その一方を緊縛し他の一方に口を設け,そこから入った魚が脱出できないように漏斗状の〈かえし〉などを付けている。筌への魚族誘致の方法は,(1)強制ならびに迷入陥穽装置と連結せしめての誘導,(2)餌料などによる誘惑,(3)魚族の習性に応じてその好む状況を人工的に作っての誘致に分けられる。…

※「筌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

野選

《「野手選択」の略》野球で、打球を捕った野手が一塁で打者をアウトにできるのに、先行走者をアウトにしようと他の塁へ送球し、間に合わずに全走者を生かすこと。フィールダースチョイス。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android