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管理価格 かんりかかくadministered price

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

管理価格
かんりかかく
administered price

企業,特に巨大企業が製造,販売する商品について市場の需給関係から切り離して,常に一定の利益を確保できるように取決めた価格。市場競争価格が変動的であるのに対し,管理価格は売手によって一方的に決められ,需要のいかんにかかわらず相当期間固定される。独占禁止法上の独占禁止との間で問題となる。広義において管理価格は市場における価格形成が市場の需給関係と関係なく,設定されることとなるすべての価格を意味する。したがってカルテル価格 (協定価格) ,国の認可などによる価格もこれに含まれることになる。国が設定しあるいは認可する価格については,それぞれ特別の法律によって定められており,また,一般市場におけるカルテル価格に関しては,独占禁止法により,かかる価格の形成が禁止されている (独占禁止法2条6項,3) 。 (→価格先導制 )

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デジタル大辞泉の解説

かんり‐かかく〔クワンリ‐〕【管理価格】

市場の需給関係によらず、独占または寡占企業の市場支配力によって設定される価格。需要やコストの変化に対しても硬直的である。カルテル価格と異なり、先導企業の決めた価格に他企業が追随することで維持される。→カルテル

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百科事典マイペディアの解説

管理価格【かんりかかく】

商品の生産・販売を独占できる地位にある1または少数の巨大企業が,一定の高い利潤を確保できるように,商品の需要供給を無視して決める価格。米国の経営学者G.C.ミーンズ独占価格(または寡占価格)に与えた名称。
→関連項目価格寡占コスト・インフレーション

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世界大百科事典 第2版の解説

かんりかかく【管理価格 administered price】

近代資本制社会において,価格はふつう生産者による供給と消費者による需要がバランスする水準で決まる。たとえば1000円である商品を売り出したとしても,そんな価格ではとうてい買手がつかないとなれば,値下げすることになるであろう。逆に,買手が殺到して店頭で品切れにでもなれば,値上げを考えるかもしれない。このように,需要と供給の関係で価格が変化するためには,実は同じものが他でいくらでも売られており,安ければ欲しがる買手がいくらでもいる完全競争の状態が前提になっている。

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大辞林 第三版の解説

かんりかかく【管理価格】

市場支配力をもつ寡占的な大企業が互いに暗黙に協調することによって、人為的に高く維持された価格。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

管理価格
かんりかかく
administered price

寡占企業の市場支配力に基づき、需要や供給などの市場の要因からは独立に人為的に決定される価格をいう。完全競争市場では需給関係により価格が決定され、個々の企業はこの市場で決定される価格に基づいて生産計画をたてるプライス・テーカーprice taker(価格受容者)の立場にある。これに対して寡占企業は、自らの製品の価格をある程度の自由裁量によって決定することができるプライス・メーカーprice maker(価格設定者)の立場にあり、価格は市場条件の変化とはある程度独立して企業により管理されている。管理価格は、市場構造、新企業の参入の可能性、需要条件などの長期的要因を考慮して目標利潤率を決め、それを実現しうるように価格を設定するフルコスト・プライシングfull-cost pricing(マークアップ・プライシングmark-up pricing)やターゲット・プライシングtarget pricingなどにより決定される。このような方式により設定される価格は、需要の短期的変動、操業度の変化、原材料価格の多少の変化が生じても、ただちには変更されない。すなわち、価格硬直性をもつのが特色である。さらに寡占企業はその市場支配力により費用の増加を価格に転嫁しがちであり、また市場の需給条件からしては当然下がるべき価格を下げようとはしない。したがって、管理価格は一般に下方に硬直的であり、上方には伸縮的である傾向がある。このような管理価格の傾向がもたらすインフレーションを管理価格インフレとよぶ。
 管理価格ということばは、アメリカの経済学者G・C・ミーンズが1935年に上院に提出した報告書のなかで初めて用いたものである。彼は、一定期間における価格変化の頻度を価格の伸縮性の程度を示す尺度と考え、アメリカ経済には、需給の変動に敏感であるかなり伸縮的な価格のグループと、非伸縮的であり企業により管理されている価格のグループが存在することを報告し、とくに工業製品の価格は下方に硬直的であり、管理価格は製造業に支配的な特徴であるとみなし、集中度の高い産業の製品の価格ほど管理されているという仮説を提示した。この仮説には多くの批判があり、G・スティグラーとJ・K・キンダールは、1961年から66年までの期間をみると、高度に集中化されている市場では、製品価格はミーンズが示すほどには硬直的ではなく、むしろ伸縮的でさえあると論じている。[内島敏之]

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