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箱根山 はこねやま

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

箱根山
はこねやま

神奈川県南西部,富士火山帯に属する三重式火山(→複式火山)。活火山で,常時観測火山。新旧二つの外輪山と七つの中央火口群がある。古期外輪山は塔ノ峰,明星ヶ岳,明神ヶ岳金時山,三国山,鞍掛山,大観山,白銀山を結ぶ標高約 1000mの環状の山稜で,内側に陥没カルデラ壁をなす。カルデラ形成以前には標高約 2500mの成層火山があったと推定されている。内側の新期外輪山は西方に開いた半円形で,碓氷峠,浅間山,鷹巣山,屏風山があり,標高 800~900m。この二つの外輪山内に溶岩円頂丘の小塚山(859m),台ヶ岳(1044m),駒ヶ岳(1356m)などと,唯一の成層火山で最高峰の神山(1438m)からなる中央火口丘群がある。古期外輪山と中央火口丘群の間の火口原には,西部に芦ノ湖,北部に仙石原がある。新旧外輪山の間を早川と支流の須雲川が峡谷をなして流れる。火山活動が活発で,箱根温泉郷は日本最大級の温泉地域。また大涌谷,小涌谷,早雲地獄などの爆裂口跡には,噴気孔群が見られる。東海地方と関東地方との交通の障壁をなし,奈良時代の官道は北方の足柄峠を通った。近世は火口原内を東海道が通ったが,外輪山南壁を越える箱根峠を中心に難所として知られた。箱根登山鉄道,ロープウェーがあるほか観光道路網が発達しており,年間を通じて観光客が多い。富士箱根伊豆国立公園に属する。

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知恵蔵の解説

箱根山

神奈川県箱根町を中心に、神奈川と静岡の両県にまたがる火山体の総称。主峰・神山(標高1438メートル)や駒ヶ岳などの中央火口丘、火山活動の影響でできた芦ノ湖、二つの外輪山(中央火口丘を取り囲む山の連なり)で構成されている。一帯は富士箱根伊豆国立公園に指定され、山腹や山麓で温泉が湧き、日本有数の観光地となっている。2012年9月には日本ジオパークの認定を受けている。
12~13世紀に起きたとされる大涌谷(おおわくだに)の水蒸気爆発以来、噴火はないが、繰り返し群発地震活動が観測されているため、火山噴火予知連絡会により、「おおむね過去1万年以内に噴火した火山および現在活発な噴気活動のある火山」と定義される活火山に選定されている。
15年5月6日、地震が頻繁に起こるなど火山活動が活発化し、気象庁は、箱根の火山活動の最も新しい爆裂口である大涌谷周辺の「噴火警戒レベル」 (火山活動の状況に応じて、住民や登山者に向けて危険が及ぶ範囲や避難行動を5段階で示したもの)を、「1(平常、後に表現を「活火山であることに留意」に変更)」から「2(火口周辺規制)」に引き上げた。このため、15年5月末時点で、大涌谷周辺の半径300メートルが立ち入り制限区域となっている。また、同年4月26日から5千回以上、火山性地震が発生している。
専門家によると、箱根山には地下10キロにマグマがあり、今回の群発地震は、マグマから発散するガスが地表に抜ける途中で詰まり、地下にエネルギーがたまったことから引き起こされたとみられている。
火山活動の長期化は地元の観光産業にも打撃を与えており、箱根町が5月10日に行った観光動向調査の結果では、箱根を訪れる人の数は、前年同時期の76%に落ち込んだ。箱根町の温泉旅館などでは、宿泊予約のキャンセルが出ているところもある。神奈川県は事態の鎮静化のため、噴火活動の監視強化を目的に約1億6000万円をかけて、大涌谷周辺に監視カメラや地震計を設置する方針を発表。立ち入り制限区域内にドローン(小型無人機)を飛ばして火口や観光設備を調査することも決めている。
15年6月17日現在、噴火警戒レベルが2となっているのは、箱根山のほか、群馬県の草津白根山、長野と群馬の県境にある浅間山など7火山。15年5月29日に爆発的な噴火を起こした鹿児島県の口永良部島は、最大級の警戒を呼びかける「5(避難)」、14年9月に噴火し、死者57人という戦後最大の被害を出した長野と岐阜の県境にある御嶽山、鹿児島県の桜島は「3(入山規制)」である。

(南 文枝 ライター/2015年)

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクションの解説

はこねやま【箱根山】

神奈川の日本酒。銘柄「箱根山」はヨーロッパへの輸出向けとして商標登録したもの。大吟醸酒、純米大吟醸酒、吟醸酒、本醸造酒などがある。平成18年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦美山錦アケボノなど。仕込み水は丹沢の伏流水。蔵元の「井上酒造」は寛政元年(1789)創業。所在地は足柄上郡大井町上大井。

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世界大百科事典 第2版の解説

はこねやま【箱根山】

伊豆半島の付け根,神奈川・静岡両県境にまたがる複式火山で,三重式火山とされている。最高峰は神山(1438m)。火山基底長径は30km,体積は96km3(日本の火山中第7位)の大きさをもち,新旧二重のカルデラと神山,駒ヶ岳などの7個の中央火口丘群よりなり,中央火口丘群とカルデラ西壁との間に芦ノ湖を抱く。古期カルデラの外輪山は明星ヶ岳(924m),明神ヶ岳(1169m),金時山(1213m),三国山(1102m),大観山(1014m),白銀(しろがね)山(993m)を連ねた標高900~1200m,長径12km,短径10kmのほぼ三角形状の尾根よりなる。

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大辞林 第三版の解説

はこねやま【箱根山】

神奈川県南西部にある三重式火山。主峰神山は海抜1438メートル。南西麓に火口原湖芦湖がある。カルデラ内部には温泉が多い。⦅歌枕⦆ 「 -双子の山も秋深み明け暮れ風に木の葉散りかふ/好忠集」

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知恵蔵miniの解説

箱根山

神奈川・静岡の両県にまたがる三重式火山。標高1438メートルの主峰・神山や駒ヶ岳などの中央火口丘、仙石原や芦ノ湖のあるカルデラ、新旧二つの外輪山から構成される。山腹や山麓には温泉が多数湧出し、古くより強羅(ごうら)、大涌谷(おおわくだに)などの温泉郷を形成している。一帯は富士箱根伊豆国立公園に属し、日本ジオパークに認定されている。有史の噴火記録はないが、大涌谷などで噴気活動が見られ、繰り返し群発地震活動が観測されている。2015年には大涌谷周辺で小規模な噴火の発生する可能性があるとして、有史以来初となる火口周辺警報が気象庁より発表された。

(2015-5-8)

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日本の地名がわかる事典の解説

〔神奈川県(静岡県)〕箱根山(はこねやま)


神奈川・静岡県境、伊豆(いず)半島の基部に噴出した三重式火山の総称。塔ノ(とうの)峰・明神ヶ(みょうじんが)岳・金時(きんとき)山・三国(みくに)山などが古期外輪山カルデラを形成し、その内側に、浅間(せんげん)山・屏風(びょうぶ)山などの新期外輪山が連なる。さらに、その内側に最高峰の神(かみ)山(標高1438m)・駒ヶ(こまが)岳など7峰の中央火口丘が噴出。火口原の仙石原(せんごくはら)や火口原湖の芦ノ(あしの)湖がある。カルデラ内を早(はや)川が深く峡谷をつくって東流する。外輪山の内側(西部の神奈川・静岡県境は外輪山の尾根筋も含め)全域が富士(ふじ)箱根伊豆(いず)国立公園に含まれる。箱根温泉郷と火山・湖などの自然景観で知られ、日本を代表する観光地・保養地。ゴルフ場・各種レジャー施設や別荘地がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

箱根山
はこねやま

神奈川県南西部、伊豆半島基部にある複式火山。[編集部]

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