ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「篠原三代平」の意味・わかりやすい解説
篠原三代平
しのはらみよへい
[没]2012.12.7. 東京
経済学者。景気循環論の国内第一人者。1940年高岡高等商業学校を卒業後,東京商科大学に入り,一般均衡論を唱えた中山伊知郎に師事。1950年から 1970年まで一橋大学経済研究所で研究活動。その後,経済企画庁経済研究所所長につき,国民経済統計の整備に尽力。既存の理論にとらわれず,統計データから新たな事実を発見する実証研究を重視。在庫や設備投資が一定の周期で循環連動することを指摘したほか,大企業と中小企業の賃金格差を資本の集約度の差で説明した「資本集中仮説」を提起した。アジア経済研究所(→日本貿易振興機構)所長,成蹊大学教授,東京国際大学教授も務めた。著書『日本経済の成長と循環』(1961)などで 1988年日本学士院賞を受賞。1998年文化功労者。2006年に文化勲章を受章した。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報