篠栗(読み)ささぐり

改訂新版 世界大百科事典 「篠栗」の意味・わかりやすい解説

篠栗[町] (ささぐり)

福岡県中央部,糟屋(かすや)郡の町。人口3万1318(2010)。福岡平野の東縁に位置し,東は飯塚市に接する。標高600~700mの低山地に囲まれ,西流する多々良川沿いに沖積低地が開ける。中心の篠栗は長崎街道に沿う旧宿場町で,JR篠栗線,国道201号線が通じる。勢門(せと)地区にあった大小炭鉱は1963年までにすべて閉山した。新四国八十八ヵ所の霊場があり,春秋に多数の巡礼者が訪れるが,40kmに及ぶ巡礼路は景勝地として知られ,若杉山など付近一帯は太宰府県立公園に含まれる。福岡市からのハイキング客も多く,かつての炭鉱に代わって観光が重視されている。近年,福岡市のベッドタウン化が急激に進み,人口増加が激しい。多々良川沿いの農業は従来の水田中心から,ハウス野菜の集団栽培など都市近郊型へ移行している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報