精選版 日本国語大辞典 「籠・隠」の意味・読み・例文・類語
こも・る【籠・隠】
〘自ラ五(四)〙
① 中にはいって、出ないでいる。家や部屋などにとじこもる。
※尋常小学読本(1887)〈文部省〉三「かひこは、此巣の中にこもりて、凡そ十三日間眠るものなり」
② 人目につかないようにはいって、隠れる。
④ 城などの中にはいって防ぎ守る。籠城(ろうじょう)する。
⑤ 物の中に含まれて、ある。「力のこもった声」
※万葉(8C後)一九・四二八三「梅の花咲けるが中にふふめるは恋や許母礼(コモレ)る雪を待つとか」
※行人(1912‐13)〈夏目漱石〉兄「普通我々が口にする好い加減な挨拶よりも遙に誠の籠(コモ)った純粋のものぢゃなからうか」
⑥ 気体などが、中にいっぱいに満ちる。
※和英語林集成(初版)(1867)「ヘヤニ クウキガ komoru(コモル)」
⑦ 音や声が内に閉じこめられ、はっきり聞こえない状態である。くぐもる。「口の中にこもった声」
こもり【籠・隠】
〘名〙 (動詞「こもる(籠)」の連用形の名詞化)
① 中にはいって出ないでいること。人知れず隠れしのぶこと。「冬ごもり」「巣ごもり」「山ごもり」「こもりぬ(隠沼)」など他の語と複合して用いることが多い。
※万葉(8C後)一一・二七〇〇「玉かぎる石垣淵の隠(こもり)には伏して死ぬとも汝(な)が名は告(の)らじ」
② 神社や寺院に泊まって祈念すること。参籠。
※平家(13C前)一二「正月の程は長谷寺に御こもりと聞こえ候しが」
③ (晦日) 月の末日。みそか。つごもり。〔物類称呼(1775)〕
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