約まやか(読み)ツヅマヤカ

デジタル大辞泉 「約まやか」の意味・読み・例文・類語

つづま‐やか【約まやか】

[形動][文][ナリ]
簡潔で要を得ているさま。てみじかなさま。
「歎願なせる趣きを右小弁家のあてにしていと―に記されたり」〈染崎延房・近世紀聞〉
控えめで質素なさま。つつましいさま。「約まやかな暮らし」
「―に暮らす親一人子一人の京の住居すまいに」〈漱石虞美人草
[類語](2つましい質素簡素地味つつましいつつましやか質実清貧シンプル素朴純朴朴訥ぼくとつ質朴真率清楚実直実体じってい朴直篤実生一本まじめ生まじめ大まじめ真摯愚直

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精選版 日本国語大辞典 「約まやか」の意味・読み・例文・類語

つづま‐やか【約やか】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「やか」は接尾語。「つつまやか」とも )
  2. ちぢまって狭く小さいさま。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕
  3. 簡略であるさま。また、簡潔で要を得ているさま。
    1. [初出の実例]「理微(ふか)く言約(ツツマヤカ)なり」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)七)
  4. むだやぜいたくをはぶくさま。倹約するさま。質素。
    1. [初出の実例]「人は己をつづまやかにし、奢りを退けて、財をもたず、世をむさぼらざらんぞ、いみじかるべき」(出典:徒然草(1331頃)一八)
  5. 態度気持などがひかえめでつつしみ深いさま。つつましやか。
    1. [初出の実例]「男によらず、女によらず、功者にして、物ごとしなしのつづまやかにととのふる」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一)
  6. こまごまとしているさま。
    1. [初出の実例]「つづまやかなる御ふもじ、まことにまことにかたじけなしといはんとすれど」(出典:仮名草子・ねごと草(1662)下)

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