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素謡 すうたい

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

素謡
すうたい

謡の演奏形式の名称。囃子,所作を伴わずに能の謡だけを演奏するもの。紋付に袴または裃 (かみしも) を着た演者が舞台に2列に並んでうたう。地謡の並ぶなかにシテ,ワキなどの役者も連なった形で,シテは地頭 (じがしら) を兼ねることもある。

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デジタル大辞泉の解説

す‐うたい〔‐うたひ〕【素謡】

能の略式演奏の一。囃子(はやし)も舞もなく、謡曲だけを正座して謡うこと。1曲全部を謡う番謡(ばんうたい)と、一部分を謡う小謡(こうたい)とがある。

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百科事典マイペディアの解説

素謡【すうたい】

能の略式演奏様式。番謡とも。型(所作),囃子(はやし)を加えず謡だけを演奏する。紋付袴(はかま),または裃(かみしも)姿で扇を携えて謡う。能が武家に専有化された江戸時代も,素謡は町人の間に流行し,謡本の刊行は江戸末期までに1500種にも及んだ。

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世界大百科事典 第2版の解説

すうたい【素謡】

能の用語で略式の上演形式の一つ。能は,(声楽),囃子(器楽),所作(身体動作)の三つの演技要素を主としているが,そのうちの謡部分のみを奏することをいう。謡本に従って全曲奏されるが,アイの部分はつねに省略され,ワキツレの部分の省略もある。また,上演時間短縮のために,〈クリ・サシ・クセ抜き〉というような大幅な省略が行われることもある。演者は紋付袴姿で,シテ,ツレ,ワキ,地謡などに分かれて演奏するが,つねにシテ方(またはワキ方)だけで奏され,囃子方など他の専門の役は参加しない。

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大辞林 第三版の解説

すうたい【素謡】

囃子はやしや舞を伴わずに、ただ謡だけをうたうこと。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

素謡
すうたい

能の略式演奏の一つ。型、囃子(はやし)を加えず、謡だけを演奏すること。番謡(ばんうたい)ともいう。リズムの規制のやかましい能の場合と異なり、謡の節の味わいを優先させた謡い方が普通。シテ・ワキなどの役を分担するが、ワキ・ワキツレの役はシテの流儀で謡い、間(あい)狂言の役は省略され、間狂言との対話の部分も謡われない。演能から疎外された町人階級も素謡の稽古(けいこ)は自由であったから、江戸時代から素謡専門の師匠が生まれ、大いに流行をみ、素謡用テキストである謡本(うたいぼん)の刊行はおびただしい数に上った。謡本と扇さえあれば比較的簡便に習得できるため、能の鑑賞とは別個の形で、今日も各地に盛んである。[増田正造]

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世界大百科事典内の素謡の言及

【素】より

…日本の音楽や舞踊で用いることば。〈素〉の意味はもともと,飾り気がなく,それ自身ということで,音楽の面では〈素唄(すうた)〉〈素謡(すうたい)〉〈素浄瑠璃〉〈素語り〉〈素で演奏する〉などと用いられる。長唄に関していえば,芝居から離れた純演奏会様式のものを〈素唄〉といい,また囃子なしで,三味線の伴奏だけで奏することを〈素〉ともいう。…

【能】より

…(6)素囃子(すばやし) 囃子方だけで囃子事を奏する。(7)素謡(すうたい) 座したまま,囃子なしに全曲を謡う。(8)独吟,連吟 座してクセ,ノリ地などの謡いどころを謡う。…

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