紫尾神社(読み)しびじんじゃ

精選版 日本国語大辞典 「紫尾神社」の意味・読み・例文・類語

しび‐じんじゃ【紫尾神社】

  1. [ 一 ] 鹿児島県出水郡高尾野町にある神社。旧県社。祭神瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)・日子穂穂手見尊(ひこほほでみのみこと)・鵜草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)。「三代実録」に紫美神として見える古社。上宮。権現様
  2. [ 二 ] 鹿児島県薩摩郡さつま町紫尾にある神社。旧県社。祭神は瓊瓊杵尊・日子穂穂手見尊・鵜草葺不合尊。継体天皇のときの創建と伝えられる。紫尾権現。下宮

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

日本歴史地名大系 「紫尾神社」の解説

紫尾神社
しびじんじや

[現在地名]鶴田町紫尾 十良

紫尾山夜星やせい川上流の字十良じゆらにある。祭神は瓊瓊杵命・彦穂穂手見命・鵜草葺不合命。もともとは紫尾山三所権現と称され、祭神は伊弉冉尊・事解男命・速玉男命であった。旧県社。神体は鏡三面で承元年中(一二〇七―一一)源実朝奉納と伝える(三国名勝図会)。本来は紫美神を祀る社で、紫尾山頂の上宮権現祠(現出水市)に対する下宮であった。また当社を中宮とし、柏原かしわばる古紫尾ふるしび大明神を下宮とする説もある(同書)。紫美神は貞観八年(八六六)四月七日に開聞神・賀紫久利神とともに昇叙され、正六位上から従五位下になった。


紫尾神社
しびじんじや

[現在地名]高尾野町唐笠木

唐笠木からがさき東部、高尾野川西岸の宮園みやぞのにある。現在は天津彦瓊瓊杵尊・天津彦火火出見尊・鵜茅葺不合尊の三神を祀っているが(鹿児島県神社誌)、「三国名勝図会」では伊弉冊尊・事解男・速玉男の三座を奉祭する薩摩郡鶴田つるた郷紫尾村の紫尾山三所権現廟(現鶴田町紫尾神社)と同神を祀るとしている。南方にそびえる薩摩国第一の高峰紫尾山(一〇六六・八メートル)を神体山とする神社で、当社はその里宮にあたる。権現様ともよばれ、旧県社。かつて社祠は紫尾山の山頂近く(現在の出水市上宮神社の地)にあり、上宮じようぐうとよんでいたが、のち当地と鶴田郷に分祀し、当社を紫尾権現社、鶴田郷のそれを紫尾山三所権現または下宮と称したと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

デジタル大辞泉プラス 「紫尾神社」の解説

紫尾(しび)神社

鹿児島県出水市にある神社。旧県社。源実朝が奉納したとされる神鏡を神体とする。秋祭りで奉納される兵六踊りは県指定民俗文化財。

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