国の経済計画や重要な経済政策について、民間の意見を反映させながら審議にあたった内閣総理大臣の諮問機関。1952年(昭和27)8月に設置され、経済企画庁に付属してきた。2001年(平成13)の中央省庁再編で廃止され、内閣府に新たに設置された経済財政諮問会議に引き継がれた。
経済審議会は、学識経験者、経済界代表など民間人30人の委員によって構成され、財政、金融、雇用、鉱工業、エネルギー、貿易、建設、交通、国民生活、の9部会と総会をもっていた。もっとも重要な審議事項である経済計画は、政府の中期的な経済運営の指針となるものであり、この審議会の答申を受けて政府が閣議決定してきた。そのような経済計画は、「経済自立五か年計画」(1955)に始まり、通常5~7年ごとに策定されたが、内閣がかわったり、経済情勢が大きく変化した場合に新たに策定されることもあった。経済計画のなかには、高度経済成長の契機となった「国民所得倍増計画」(1960)、安定成長への転換をうたった「昭和50年代前期経済計画」(1976)、赤字国債依存からの脱却、輸出依存から内需中心への転換、完全失業率2%程度を目標とした「1980年代経済社会の展望と指針」(1983)、構造的不況に悩む日本経済の抜本的転換を唱えた「構造改革のための経済社会計画」(1995)、「新たなる時代の姿と政策指針」(1999)など、日本経済の節目となったものが多い。
[森本三男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…そのほか,経済研究所が付置され,経済一般の調査研究をはじめ,国民所得の調査分析,国民経済計算等を担当している。また,審議会としては,経済審議会と国民生活審議会があるが,このうち経済審議会は経済計画を審議立案する機能をもっており,200を超える政府の審議会のうちでも重要な審議会の一つである。1997年度末定員514人。…
…なかでも池田勇人内閣の〈国民所得倍増計画〉(1961‐70年度),いわゆる所得倍増計画が有名である。現在の日本では,経済計画は首相の諮問に答える形で経済審議会が答申を作成し,内閣が閣議決定したものである。経済企画庁は計画作成の実務を担当する。…
※「経済審議会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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