ジャーナリスト、政治家。山形県生まれ。早稲田(わせだ)大学専門部政経科を卒業して1911年(明治44)朝日新聞社に入社し、政治部記者となる。欧米留学後、編集局長、1934年(昭和9)主筆、常務取締役、1936年専務取締役に就任。その後、重要産業統制委員、内閣情報部参与を経て、1940年新体制準備委員、1943年朝日新聞副社長となるが、1944年退社して小磯(こいそ)・米内(よない)内閣の国務大臣兼情報局総裁。1945年鈴木貫太郎内閣の内閣顧問、貴族院議員。東久邇稔彦(ひがしくになるひこ)内閣では国務大臣、内閣書記官長、情報局総裁を兼任して敗戦処理にあたる。緒方は国粋主義者の中野正剛(せいごう)とは大学・記者時代からの親友で、自身、国家主義者でもあった。戦後、その経歴から戦犯容疑者となり、1946年(昭和21)公職追放となる。1951年追放解除され翌1952年自由党から衆院選に当選(福岡1区)。第四、五次吉田茂内閣の副総理・官房長官。1954年吉田退陣後、自由党総裁に就任。翌1955年保守合同に党を率いて参加し、自由民主党の総裁代行委員となり、鳩山一郎(はとやまいちろう)首相の後継に予定されていたが心臓病で急逝した。69歳。著書に『人間中野正剛』(1951)がある。
[荒 敬]
『高宮太平著『人間緒方竹虎』(1958・四季社)』▽『嘉治隆一著『緒方竹虎伝』(1962・時事通信社)』▽『栗田直樹著・日本歴史学会編『人物叢書 緒方竹虎』新装版(2001・吉川弘文館)』▽『三好徹著『評伝緒方竹虎──激動の昭和を生きた保守政治家』(岩波現代文庫)』▽『伝記刊行会編『緒方竹虎』(1963・朝日新聞社)』
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大正・昭和期の政治家,新聞人 衆院議員(自民党);元・自由党総裁;元・朝日新聞社副社長。
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大正・昭和期の言論人,政治家。山形市で生まれ,福岡で育つ。1911年早大専門部卒業後,朝日新聞社入社。編集局長,主筆,常務・専務理事をへて43年副社長となる。この間,二・二六事件の際単身,同社を襲った反乱軍と対決した話は有名。44年小磯国昭内閣の国務相兼情報局総裁,翌年東久邇稔彦内閣の国務相兼内閣書記官長兼情報局総裁に就任。戦後,45年12月A級戦犯に指名された(1947年9月解除)。46年8月公職追放されるが,51年解除され,政界に復帰。52年自由党から衆議院議員に当選,第4,5次吉田茂内閣官房長官,副首相となる。吉田内閣総辞職後自由党総裁に就任,55年保守合同を実現し自民党総裁代行委員となり,鳩山一郎の後継者と目されたが,翌年1月急死した。
執筆者:神田 文人
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…党内に民主化同盟ができ(52年10月),自由党分党派が日本自由党を結党(53年11月),鳩山が離党し復党し再離党して日本民主党を結党(54年11月)する等の経過の中で自由党は第4次,第5次吉田内閣を単独政権として樹立するが,53年4月の選挙で過半数を割り,55年2月選挙で第二党となる。1954年12月,吉田内閣は総辞職,自由党総裁には緒方竹虎が就任。55年11月自由党は民主党と合同,保守合同として自由民主党を誕生させた。…
…太平洋戦争末期の日中和平工作。小磯国昭内閣成立直後の1944年8月,元《朝日新聞》北京駐在記者田村真作は緒方竹虎情報局総裁らを通じて小磯首相を動かし,繆斌を仲介として重慶の中華民国政府(蔣介石総統)との和平工作の推進を提案した。かつて中国国民党中央委員などを務めた繆は,日中戦争勃発後に日本軍が華北につくった親日団体新民会副会長となり,汪兆銘政権が成立すると立法院副院長となったが,蔣政権との接触が露見して44年当時は考試院副院長の閑職にあった。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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