(読み)ヒ

デジタル大辞泉 「罷」の意味・読み・例文・類語

ひ【罷】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) ハイ(慣) [訓]やめる まかる
仕事を中止する。「罷業罷工
役目をやめさせる。「罷免
疲れてやる気がなくなる。「罷弊

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精選版 日本国語大辞典 「罷」の意味・読み・例文・類語

まかり【罷】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 ( 動詞「まかる(罷)」の連用形名詞化 )
    1. 官に任ぜられたりして、その地に赴くこと。また、その折の暇乞い挨拶。→罷り申し罷り申す
    2. 食膳などを下げること。また、下げた食膳。→罷(まか)る[ 一 ]
      1. [初出の実例]「傍辺(かたはら)に置在いて、了(マカリ)を待ちて同しく棄つ」(出典:南海寄帰内法伝平安後期点(1050頃)一)
  2. [ 2 ] ( 動詞「まかる(罷)」の連用形 ) 他の動詞の上に付いて、接頭語的に用いる。→罷(まか)る[ 二 ]

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普及版 字通 「罷」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 15画

[字音] ヒ・ハイ・ハ
[字訓] つかれる・よわい・やめる・ゆるす

[説文解字]

[字形] 会意
网(あみ)+能。能は獣の形。獣に网して、その罷労するのを待つ意。〔説文〕七下に「(つみ)るを(ゆる)すなり」とし、「网能に從ふ。网は网(ざいまう)なり。賢能りて网に入り、ち貰(ゆる)して之れを(つか)はすを言ふ」(段注本)と解する。卜文には网の下に鹿・豕(し)・雉など、鳥獣の形を加えるものが多い。罷労の意より、やむ、ゆるすの意となる。

[訓義]
1. つかれる、よわる、よわい。
2. やむ、やすむ、やめる。
3. ゆるす、のぞく、はぶく、かえる。
4. 披と通じ、ひらく、わかつ。

[古辞書の訓]
名義抄〕罷 ヤムヌ・シリゾク・マカル・マカヌ・ツカル・ツカレタリ・マカデム 〔立〕罷 イヅ・シリゾク・ヤム・ツカル・アム・シクマ・ハカル・ヤスム・キハマル・サル・タヒ・マカリ・カヘル

[声系]
〔説文〕に罷声として羆など三字を収め、〔玉〕になお擺を収める。擺は擺脱(はいだつ)、獣がその網を脱して免れようとする意である。

[語系]
罷baiは煩・樊biuanと声の通ずるところがあり、樊籠(はんろう)(鳥かご)のうちにあって煩うことをいう。また疲piaiは声近く、みな声義の関係が考えられる。

[熟語]
罷学・罷官罷閑・罷帰罷棄・罷議罷朽・罷休・罷業・罷遣・罷工・罷講・罷止・罷市・罷事・罷謝・罷出・罷職・罷省罷斥罷逐罷黜・罷朝罷乏・罷北罷罷罷怨罷怯・罷極・罷苦・罷・罷健罷蹇・罷辜・罷耗・罷耗・罷国・罷散・罷士・罷車・罷弱・罷人・罷尽・罷・罷懦・罷怠・罷池・罷駑・罷灯・罷頓・罷馬・罷廃・罷憊・罷弊・罷兵・罷病・罷民・罷免・罷吏・罷・罷・罷露・罷老・罷労
[下接語]
雨罷・吟罷・市罷・斥罷・朝罷・破罷・廃罷・老罷

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