デジタル大辞泉 「罷る」の意味・読み・例文・類語
まか・る【▽罷る】
1 命じられて、都から地方へ行く。
「我が背子しけだし―・らば白たへの袖を振らさね見つつ
2 お許しをいただいて、貴人のもとから、退去する。
「さて我は
「憶良らは今は―・らむ」〈万・三三七〉
3 《去ってあの世へ行く意から》「死ぬ」の謙譲語。みまかる。
「―・るにおよんで
4 (平安時代以降、勅撰集などの詞書や改まった気持ちの会話・消息に用いる)主として話し手側の「行く」の意を、聞き手に対してかしこまり丁重に言う。まいります。⇔
「人のもとに―・れりける夜」〈古今・秋上・詞書〉
「久しく(女ノモトヘ)―・らざりしころ」〈源・帚木〉
5 他の動詞の上に付いて複合語をつくる。
㋐《お許しを得て行動する気持ちから》謙譲・丁重の意を表す。「―・り越す」「―・り出る」
㋑《御免をこうむって勝手にやらせてもらう気持ちから》その動詞の表す動作・作用を強める意を表す。「―・り通る」「―・り間違う」
[類語](3)死ぬ・亡くなる・死する・没する・果てる・眠る・