出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
中国、唐朝の太宗の勅命で魏徴(ぎちょう)ら学識ある高官たちが編纂(へんさん)した50巻の書。631年に成る。経書をはじめ正史や諸子の書六十数種から、為政者の参考となる箇条を抜き出してまとめたもの。中国では早く散逸したが、日本に伝わったものが皇室や武家に重宝され、1616年(元和2)駿河(するが)で徳川家康により古活字版が印行されたのをはじめ、尾張(おわり)藩の天明(てんめい)版、紀州藩の弘化(こうか)版と相次いで刊行され広く普及した。宮内庁書陵部には刊本の原本となった金沢文庫伝来の古写本(巻4、13、20原欠、全47軸)を伝存する。本書には『臧栄緒晋書(ぞうえいしょしんしょ)』『桓子(かんし)新論』などの逸書や『論語鄭玄(じょうげん)注』『漢書蔡謨集解(かんじょさいばくしっかい)』などの古逸注を含む点で重視される。
[池田 温]
…家康は江戸幕府成立後その政策に文治主義をとり入れて,学問を奨励し,また多くの開版事業を行った。そのうち1606年(慶長11)にいわゆる伏見版の最後のものである《武経七書》を印行して後,一時の中絶をおいて,15年(元和1)に開版された《大蔵一覧集(だいぞういちらんしゆう)》と,翌16年の《群書治要(ぐんしよちよう)》の二つを駿河版と称する。前者は以心崇伝が駿府の家康へ献上した同書の写本を契機に開版されたもので,3ヵ月を費して125部を印行し,諸方の寺社に寄進された。…
… 家康の文治主義は,江戸開幕後ただちに出版事業に反映した。とりわけ《貞観政要》などを翻刻させ,また《群書治要》を銅活字で印刷させた。いずれも政治上の手引書を求めたものであるが,とりわけ《群書治要》は,文字どおり中国の諸書の中から政治上必要な要文を書き抜き編集したもので,これも一種の類書といえよう。…
※「群書治要」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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