羽子板市(読み)ハゴイタイチ

デジタル大辞泉 「羽子板市」の意味・読み・例文・類語

はごいた‐いち【羽子板市】

年末羽子板を売る市。東京浅草寺せんそうじのものが有名。 冬》

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精選版 日本国語大辞典 「羽子板市」の意味・読み・例文・類語

はごいた‐いち【羽子板市】

  1. 〘 名詞 〙 羽子板を売る市。暮れの押しせまった時分に立つ。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「羽子板市の立つ時分になると」(出典:大川端(1911‐12)〈小山内薫〉二九)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「羽子板市」の意味・わかりやすい解説

羽子板市
はごいたいち

毎年 12月17~19日に東京都台東区浅草寺境内に立つ。羽子板を売る露店が立ち並ぶところからその名がある。本来年ノ市で,第2次世界大戦後,羽子板市と呼ばれるようになった。『東都歳時記』によれば,本堂前に大黒天の開運守りが出され,羽子板のほかにも正月準備の注連飾り(しめかざり)や調理器具破魔矢,手まりなどが商われていた。また,この市とは別に,江戸時代には 12月下旬に歳暮としてその年に生まれた子供に破魔弓や羽子板を贈る習慣があり,旧暦 12月25日には 3月に雛市が開かれる十軒店(じっけんだな)や浅草茅場町などに,破魔弓や羽子板,手まりなどを商う市が立っていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「羽子板市」の意味・わかりやすい解説

羽子板市
はごいたいち

羽子板を売る市。東京では現在、12月15日の深川不動の市が初めで、17~19日の浅草、ついで神田明神、芝愛宕(あたご)、湯島天神薬研堀(やげんぼり)の市、最後にあちこちの通りに立つのをベタ市とよぶ。浅草の市が景気を象徴するといって力を入れる。元禄(げんろく)年間(1688~1704)には12月26日から30日まで、破魔弓(はまゆみ)とともに売られ、市は『江戸惣鹿子(えどそうがのこ)』に、「中橋尾張(おわり)町一丁目、十間棚(だな)、神明前、糀(こうじ)町四丁目、浅草かや町」と書かれており、雛(ひな)市、のぼり市と同じ場所に立った。そして市とはいわず羽子板売りとよんだ。京都では四条、新京極などが有名だが、現在では各地とも百貨店の催しが盛大になっている。羽子板は毬杖(ぎっちょう)から変化したといわれ、古くは左義長(さぎちょう)焼きの絵を描いたものが多かった。

田原 久]


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