老いる(読み)オイル

デジタル大辞泉 「老いる」の意味・読み・例文・類語

お・いる【老いる】

[動ア上一][文]お・ゆ[ヤ上二]
年をとる。老齢になる。「―・いてますます意気軒昂けんこう
年をとって心身の働きが衰える。「以前にくらべると、さすがの彼も―・いた感が深い」
草木が枯れかかる。
「大荒木の森の下草―・いぬれば駒もすさめずかる人もなし」〈古今・雑上〉
季節が終わりに近づく。
「野べに春―・いたり」〈宇津保春日詣
[類語]老いぼれる老ける老い込む老け込む年老いる老いさらばえる老い早老老化老残老衰よぼよぼ恍惚けるほうける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「老いる」の意味・読み・例文・類語

お・いる【老】

  1. 〘 自動詞 ア行上一(ヤ上一) 〙
    [ 文語形 ]お・ゆ 〘 自動詞 ヤ行上二段活用 〙
  2. 年齢が重なる。年寄る。年をとる。
    1. [初出の実例]「ひけたの若栗栖(くるす)原わかくへに、ゐ寝てましもの淤伊(オイ)にけるかも」(出典古事記(712)下・歌謡)
  3. 植物などが衰える。弱る。枯れかかる。
    1. [初出の実例]「おほあらきの森の下草おいぬれば駒もすさめず刈る人もなし〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・八九二)
  4. 年をとってぼける。もうろくする。
    1. [初出の実例]「子ども、孫など『あはれ、女とじは、おひて、雀かはるる』とて、にくみわらふ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)三)
  5. 季候が末になる。季節が終わりに近づく。
    1. [初出の実例]「山べにふゆわかく、のべに春をひたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)
  6. 勢力などが衰える。
    1. [初出の実例]「それでは、老いたる仏蘭西(フランス)獅子は、再び吼えぬであらうか」(出典:ボール紙の皇帝万歳(1927)〈久野豊彦〉)
  7. 円熟した状態になる。熟達する。たける。
    1. [初出の実例]「これらの議論をなす人士は〈略〉推理力には乏しきも世故には老い」(出典:一国の首都(1899)〈幸田露伴〉)

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