胃洗浄(読み)イセンジョウ(その他表記)gastrolavage
gastric irrigation

デジタル大辞泉 「胃洗浄」の意味・読み・例文・類語

い‐せんじょう〔ヰセンジヤウ〕【胃洗浄】

毒物の誤飲時などに、管を口から胃まで挿入し、温水などの注入排出を繰り返して、胃の内容物を洗い出す処置法。

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精選版 日本国語大辞典 「胃洗浄」の意味・読み・例文・類語

い‐せんじょうヰセンジャウ【胃洗浄・胃洗滌デウ】

  1. 〘 名詞 〙 胃を洗いきよめること。
    1. [初出の実例]「なれない手付で胃洗滌をする祖父と、神妙にその手伝ひをする伯母の顔をみながら」(出典:ある女(1973)〈中村光夫〉一)

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改訂新版 世界大百科事典 「胃洗浄」の意味・わかりやすい解説

胃洗浄 (いせんじょう)
gastrolavage
gastric irrigation

胃の中にたまった食物残渣,凝血塊や薬物などを除くために,胃内にチューブを挿入し,直接胃内腔を洗浄することをいう。薬物中毒や胃運動障害,慢性胃炎に際して行われる。目的によりチューブの太さは異なるが,一般に直径8mm程度のゴム製あるいはシリコン製のものを用い,先端にグリセリンゼリーを塗布した後に口から胃内に挿入する。門歯列から食道・胃境界部までが40cmであるため,50cm挿入すれば胃内に到達することができる。チューブが胃内に到達したらチューブを通じて洗浄液を送る。一般に生理食塩水を用いるが,場合により水道水でもよい。胃チューブに連結した延長チューブの末端漏斗をつけ,そこから洗浄液を注入し,水圧の差を利用して注入する場合と,胃チューブに直接注射器をつけ注入する場合がある。一度に大量の洗浄が必要な場合は前者がよい。ひととおり注入が終わったら,チューブの先を低くして排出する。この排出液の性状が透明になるまで洗浄を行う。胃チューブを抜去する際は,胃,食道粘膜の損傷をさけるために徐々に抜去する。
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百科事典マイペディア 「胃洗浄」の意味・わかりやすい解説

胃洗浄【いせんじょう】

毒物,多量の睡眠剤等の経口摂取時,あるいは各種胃腸疾患で胃内容物が大量貯留したときに用いる治療法。普通,直径6〜8mmのゴム製胃ゾンデを口から食道を通して胃に入れ,微温湯または種々の溶液を使用し,サイホン原理を利用して胃内容を除去する。何回も液を替え排液が透明になるまで行う。
→関連項目昇汞中毒凍傷

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胃洗浄」の意味・わかりやすい解説

胃洗浄
いせんじょう
gastrolavage

食中毒などの場合に,ゴム製の胃管を口から胃に挿入し,胃内容物を吸引洗浄する方法。動脈瘤のある場合,心臓弁膜症動脈硬化症,胃潰瘍の活動期,呼吸困難,妊婦,老人などの場合は,胃洗浄は行われない。

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