富山,石川,岐阜,福井の4県にまたがる山地。加濃越(かのうえつ)山地ともいう。白山(2702m)を最高峰とする北部の加越(白山)山地と,能郷(のうご)白山(1617m)を主峰とする南部の越美(美濃越前)山地との総称。北部は飛驒変成岩や中生代手取層群の基盤上に濃飛流紋岩類などの火山噴出物がのる山地で,白山や大日岳(1709m)などの火山がある。南部は秩父古生層を主体とし,一部に中生層,花コウセン緑岩が見られる山地で,定高性の平たん面がよく残り,平頂峰が多い。平家岳(1442m),屛風山(1354m),冠山(1257m)などの諸峰がある。また根尾谷断層などの断層もよく発達している。
山地一帯は屈指の豪雪域で,庄川,手取川,九頭竜(くずりゆう)川,揖斐(いび)川などに豊富な水を供給する。白山を中心とする山々は富士山,立山などと並ぶ山岳信仰の著名な霊場であり,平安時代以降信仰登山が盛んであった。現在は白山国立公園に指定されている。1977年,庄川と手取川の谷を結び山地北部を横切る白山スーパー林道が開通した。
執筆者:水越 允治
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石川、福井、岐阜、富山の4県にまたがる山地。白山(2702メートル)と能郷白山(のうごうはくさん)(1617メートル)の2峰を中心にしたほぼ南北方向の山地で、2峰の白山にちなみ、第二次世界大戦後「両白」と名づけられた。北部白山を中心とする地域は加越山地(かえつさんち)ともいい、1600~1700メートル級の火山が多く、飛騨片麻(ひだへんま)岩、中生代手取(てどり)層群、安山岩類からなる。南部の能郷白山を中心とする地域は越美山地(えつみさんち)ともいい、1200~1400メートル級の山が多く、古生代石炭紀、ペルム紀(二畳紀)の堆積(たいせき)岩類からなる。高山植物、ササ類、落葉広葉樹に富み、ブナは重要材である。電源開発地帯で、御母衣(みぼろ)湖、手取川ダム、九頭竜(くずりゅう)湖、笹生(さそう)川貯水池、横山貯水池など大人造湖がつくられた。かつては焼畑農業、出作りなどが行われたが、杉の植林に変わった。有数の豪雪地帯であり、過疎化が進んでいる。
[矢ヶ崎孝雄]
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