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腰掛石 こしかけいし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

腰掛石
こしかけいし

神や天狗または歴史上著名な武将や高僧かけたという伝説をもつ。日本各地に広く分布する。腰かけたとされる人物源義家,源頼朝,坂上田村麻呂,親鸞上人,日蓮上人,西行法師などさまざまであるが,すべて遠来貴人ということに特徴があり,古い形のものは天狗あるいはである場合が多い。このことは,腰掛石が古くは祭りのとき,訪れてくる神を迎えまつる祭壇に使われたことを物語るものと思われる。また,触れるとたたりをなすとされ,人が触れるのを忌んでいる石もあるが,これは,腰掛石が本来石神であったことと関係があると推測される。かつて石そのものが神であったのが,石神信仰の衰退によって信仰形態が変わり,腰掛石の伝説が生じるにいたったと考えられる。

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デジタル大辞泉の解説

こしかけ‐いし【腰掛(け)石】

腰を掛けるのに適した石。また、腰を掛けるために置いてある石。
著名な人が腰を掛けて休んだといういわれのある石。

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百科事典マイペディアの解説

腰掛石【こしかけいし】

神や貴人が腰を掛けて休んだと伝える石。石を神の依代(よりしろ)として,そのまわりで祭を行ったなごりとする説がある。腰掛松,笠掛松の伝説も多いが,同じく神の降臨地もしくは樹木信仰の痕跡であろう。

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世界大百科事典 第2版の解説

こしかけいし【腰掛石】

神や英雄,または歴史上著名な武将や高僧などが腰掛けたと伝えられる石。休み岩,御座石(ございし)ともいい,その多くは神社の境内にある。石に腰掛けた人物はさまざまであるが,いずれも遠来の貴人という一致点がある。これらの石は神聖な霊域での祭壇に使用されたものと考えられ,常人がむやみに腰掛けたり近づいたりするのは禁ぜられていた。もともと神の影向(ようごう)の由来が長い時を経過するうちに忘れられ,それが歴史上の人物に置き換えられるという合理的解釈がなされたのであろう。

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