腸骨(読み)チョウコツ

デジタル大辞泉 「腸骨」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐こつ〔チヤウ‐〕【腸骨】

骨盤を構成する寛骨の上半部を占め、仙骨両側扇状に広がる骨。

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精選版 日本国語大辞典 「腸骨」の意味・読み・例文・類語

ちょう‐こつチャウ‥【腸骨】

  1. 〘 名詞 〙 骨盤帯を形成する骨格一つ。両生類以上の脊椎動物にみられる。骨盤の前背部を占める部分脊柱に連結する。無尾類ではよく発達し左右恥骨坐骨が癒着する。哺乳類でもよく発達している。この骨は肩胛骨と相同の器官と考えられている。〔解体新書(1774)〕

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「腸骨」の意味・わかりやすい解説

腸骨
ちょうこつ

恥骨(ちこつ)、坐骨(ざこつ)とともに寛骨(かんこつ)を構成する骨の一つで、扇形に広がった扁平(へんぺい)状をなす。恥骨、坐骨とは癒合して寛骨を形成する。仙骨は両腸骨の間に、はまるように位置する。腸骨の扁平に広がる部位を腸骨翼とよぶが、ここは中央が薄い皿状で、その内側面ではおもに腸管を支えている。腸骨の名称はこの役割に由来する。鼠径(そけい)線上外側上端部には、この骨のもっとも突出した隆起部分があり、皮下に触れることができる。この部分を上前腸骨棘突起(きょくとっき)といい、体表計測では重要な基準となる。下肢の長さは、この棘突起から脛骨(けいこつ)の内果(ないか)(ウチクルブシ)までの長さとされている。また、この棘突起と「へそ」を結ぶ線上で、外側からほぼ3分の1の部分は虫垂炎の圧痛点となっている。

[嶋井和世]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「腸骨」の意味・わかりやすい解説

腸骨
ちょうこつ
iliac bone

寛骨上方を占める大きい扁平骨をいう。寛骨は腸骨・坐骨・恥骨の3骨が軟骨性に互いに結合し,成長後,癒合して1つの骨となる。腸骨は腸を下から皿のように支えているので,この名がある。

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百科事典マイペディア 「腸骨」の意味・わかりやすい解説

腸骨【ちょうこつ】

骨盤をつくる左右の寛骨の上部を占める大きな骨。腹腔内の腸を乗せるという意味でこの名がある。

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普及版 字通 「腸骨」の読み・字形・画数・意味

【腸骨】ちようこつ

心。

字通「腸」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の腸骨の言及

【骨盤】より

… 四足動物になると,後肢が地上で体を支えることと関連して腰の骨格ががんじょうになった。そしてかならず腸骨・恥骨・坐(座)骨という3種の骨が片側の骨盤(これを寛骨という)を構成するようになる。寛骨の背方部は腸骨,腹方前部は恥骨,腹方後部は坐骨で占められ,中央部でこれら3骨が合するところの外側面に深いくぼみ(寛骨臼)があって,ここに後肢の基部骨格である大腿骨の骨端がはまりこんで関節する。…

※「腸骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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