自動車技術総合機構(読み)ジドウシャギジュツソウゴウキコウ

デジタル大辞泉 「自動車技術総合機構」の意味・読み・例文・類語

じどうしゃぎじゅつ‐そうごうきこう〔‐ソウガフキコウ〕【自動車技術総合機構】

自動車等の安全性・環境性能審査など、さまざまな基準適合性について認証審査を行う国土交通省所管の独立行政法人自動車検査独立行政法人交通安全環境研究所を統合し、平成28年(2016)に発足NALTECナルテック(National Agency for Automobile and Land Transport Technology)。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「自動車技術総合機構」の意味・わかりやすい解説

自動車技術総合機構
じどうしゃぎじゅつそうごうきこう

自動車の保安基準適合性審査、自動車技術等に関する試験・調査・研究・開発などを行う、国土交通省所管の独立行政法人。英語名はNational Agency for Automobile and Land Transport Technology、略称NALTEC。「独立行政法人自動車技術総合機構法」(平成11年法律第218号)を根拠法とする。2016年(平成28)、自動車検査独立行政法人と独立行政法人交通安全環境研究所を統合して設立された。本部は東京都新宿区本塩(ほんしお)町。自動車検査独立行政法人は、1999年(平成11)、「中央省庁改革」の一環として、それまで運輸省が行っていた自動車検査(車検)のうち「検査場における検査」については独立行政法人が行うこととされたことに伴い、2002年に設立されたものである。交通安全環境研究所は、1950年(昭和25)に運輸省運輸技術研究所として設立後、改組再編等が行われ、2001年4月に独立行政法人に移行したものである。2016年の自動車技術総合機構設立時に、同機構の研究所となった。

 自動車技術総合機構では、(1)研究業務、(2)審査業務、(3)自動車検査、(4)リコール業務を行い、研究分野については、前記の交通安全環境研究所(東京都調布市深大寺(じんだいじ)東町)で行っている。

(1)研究業務 自動運転システム、燃料電池自動車といった新技術に対応した安全・環境基準策定のための支援研究、衝突安全、予防安全といった安全分野や、燃費改善・省エネルギー推進といった環境分野での対応を研究する自動車研究部、自動車の技術基準の国際的な統一に取り組む国際調和推進部、鉄道分野における国際規格適合性認証機関として認証審査を行う鉄道認証室、鉄道、LRT(低床式次世代路面電車)等の交通システムや地域交通の持続可能な維持・活性化などを研究する交通システム研究部がある。

(2)審査業務 自動車認証審査部を置いて自動車およびその装置の基準適合性について認証審査を行う。

(3)自動車検査 いわゆる車検を行っている。道路運送車両法では、同法が規定する「道路運送車両の保安基準」に自動車が適合しているかどうかの検査を自動車検査(車検)といい、検査申請の受付や自動車検査証の交付、あるいは基準不適合車両への整備命令の発令といった事務部門は各地の国土交通省運輸支局(旧称、陸運支局)または自動車検査登録事務所が受け持ち、実際の保安基準適合性審査は自動車技術総合機構が行うこととなっている。このため自動車技術総合機構には本部のほかに全国に9検査部、84の地方事務所がある。

(4)リコール業務 リコール技術検証部を置き、道路運送車両法の規定に基づいて自動車の構造、装置、性能などが保安基準に適合していないおそれがある場合に、国土交通省からの依頼により、技術的な検証を行う。

[編集部 2017年6月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android