自己破産(読み)ジコハサン

デジタル大辞泉 「自己破産」の意味・読み・例文・類語

じこ‐はさん【自己破産】

破産手続き債務者みずからが申し立てること。→準自己破産第三者破産

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精選版 日本国語大辞典 「自己破産」の意味・読み・例文・類語

じこ‐はさん【自己破産】

  1. 〘 名詞 〙 破産手続を債務者みずからが申し立てること。

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改訂新版 世界大百科事典 「自己破産」の意味・わかりやすい解説

自己破産 (じこはさん)

債務者自身の申立てによって開始される破産をいう。法が自己破産を認めるのは,債務者に,債権者共同担保たる自己の財産減少させないという道義的責任を果たさせるためと債権者の個別的追及を免れて自力で経済的に再起する機会を保障するためである。最近,破産申立全体に占める自己破産の数・率がともに急増しているが,その原因の一つに消費者金融(いわゆるサラ金)で破綻した個人債務者が主として破産による免責を求めることを目的とする申立ての増加がある。このような例では,破産宣告があっても配当で終結する例は少なく,宣告と同時に破産手続を廃止することが多い(破産法145条)。債務者が極限状況に至って最後の手段として申立てをするために,当初から破産財団を構成すべき財産が欠乏し,手続費用さえ捻出することができないためである。
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百科事典マイペディア 「自己破産」の意味・わかりやすい解説

自己破産【じこはさん】

借金が膨らんで返済できなくなり,裁判所に自ら申し立てる破産のことで,消費者破産個人破産ともいう。破産宣告を受けた場合,必要最小限の生活費(自由財産)と家財を残して,財産や家財を没収され債権者に渡される。破産によって債務弁済の免責という効果を生ずる。複数のクレジット・カードを利用して負債が大きくなって破産するカード破産や,株や不動産への投資バブル経済崩壊で破産するケースが増えている。2004年の破産法改正により,自由財産の金額の必要生計費の3ヵ月分相当(99万円)への引上げ,破産と免責手続の一本化などが定められた。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「自己破産」の意味・わかりやすい解説

自己破産
じこはさん

債務者みずからが申立てる破産 (破産法 132条1項) 。破産は,債務者に不利益を与える反面,種々の利益をも伴うので (債権者の個別的追求からの免脱,免責の制度) ,この制度が設けられている。自己破産に準じるものとして,法人の代表者が法人について破産申立てをなし,また相続人相続財産管理人および遺言執行者が相続財産について破産申立てをすることが認められている (133,135,136条) 。消費者破産に関連して自己破産事件の割合が上昇している。

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知恵蔵 「自己破産」の解説

自己破産

多重債務や多額債務を抱え込み、返済不能に陥って、自ら裁判所に破産を申し立てること。2005年の自己破産申立件数は18万4324件で、前年より12.8%減り、2年連続の減少となった。01年4月から民事再生法の特則として、破産せずに生活を再建できる個人再生手続きが定められ、その04年の申立件数は2万6346件で過去最高となった。また、05年1月施行の新破産法では、個人破産者について、手元に残せる自由財産の額が99万円に引き上げられた。

(篠崎悦子 ホームエコノミスト / 2007年)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「自己破産」の意味・わかりやすい解説

自己破産
じこはさん

個人破産

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世界大百科事典(旧版)内の自己破産の言及

【倒産】より

…倒産の徴憑として典型的な手形不渡りは支払停止の最も普通の形態であり,新聞等で倒産と報じられる場合は,おおむね破産原因がある。破産は債権者が申し立てる場合と債務者自身の申立てによる場合(自己破産)があり,近年注目すべきことは自己破産の著しい増加である。これは消費者金融によって破綻(はたん)した個人が破産制度を利用しはじめたことによるもので,かねてアメリカにおいて顕著にみられた現象であり,免責制度とあいまって,日本においても破産の債務者救済制度としての性格が明らかとなりつつあるといえる。…

【破産】より

…それでも,破産法は,基本的には事業者を対象にしており,ごく最近まで,非事業者(給与生活者,主婦)の破産という例もまれであったため,〈救済〉という側面はそれほど現実的な問題ではなかった。ところが,78年ころから,消費者金融(とくにサラ金)で破綻した個人が,免責を求めて破産宣告を申し立てる例(自己破産)が急増し,現行法のもつ救済法的性格が一躍前面に現れることになった。反面,理論も実務も,この新しい展開に必ずしも十分に対応しておらず,解釈論上,運用上さまざまな問題があらわれている。…

※「自己破産」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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