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自然保護 しぜんほご nature conservation

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

自然保護
しぜんほご
nature conservation

狭義には特定の生物の種あるいは群集の保護をいう。しかし自然界ではその構成要素である生物群集同士や無機的環境との間に一定の構造や動的関係が保たれており,全体として生態系を形成している。

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デジタル大辞泉の解説

しぜん‐ほご【自然保護】

人間による破壊や汚染から自然環境を保全し、また、回復させること。生物・鉱物や景観も含めて、自然本来の姿が保たれるように保護すること。18世紀からヨーロッパを中心に、学術上貴重な動植物、原始的な自然地域、すぐれた景観などの保護の思想が発展した。

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百科事典マイペディアの解説

自然保護【しぜんほご】

自然やその構成要素である動植物および地質学的対象を保護すること。15世紀末のヨーロッパに芽ばえた審美的な自然愛護の精神に始まり,1872年米国で世界最初のイエローストーン国立公園の指定,1907年英国のナショナル・トラストの設立などがある。
→関連項目環境スワップ国際自然保護連合

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世界大百科事典 第2版の解説

しぜんほご【自然保護 conservation of nature】

自然を人の社会活動による破壊から守るという考えは,欧米ではかなり古くから生じているが,日本では欧米文化が急速に浸透してきた明治以降と考えてよい。また〈自然(じねん)〉という語はそれ以前から人工に対立するものとして用いられ,ヤマノイモ自然薯(生)と呼ぶような用い方もされていたが,現代のように人間社会を取りまきそれに対立するすべての環境を意味する場合は,〈花鳥風月〉や〈山川草木〉のような語が一般に用いられていたようである。

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大辞林 第三版の解説

しぜんほご【自然保護】

人間の社会的活動によって生じる自然の破壊や汚染から、自然環境を保全し、かつ回復・育成すること。 「 -団体」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

自然保護
しぜんほご

人間の自然環境を保全・保護することをいう。この自然保護の考えは、きわめて広い意味で、人類が生存するようになって以来もち続けていたものであろう。自然という生活環境との関係のなかで、生活のためになんらかの形で自然環境の保全を図り、その悪変を防ぐ活動を行っていたことは疑いない。しかし、現代において意識され強調されている自然保護は、それとは認識を異にする。それは、自然破壊が進行しており、その破壊において重要な役割を演じているのが人間そのものである、という認識を立脚点にしている。すなわち、たとえば生物の多くの種が人間によって絶滅させられ、あるいは絶滅に瀕(ひん)しているという事実から、そのような野生生物の保護のためには、まず人間自身がその活動を制限あるいは是正すべきであるとされる。端的には人間の活動の影響が及ばないようにした保護地域を設定するなど、積極的な措置をとろうとするものであり、破壊や消失にさらされている埋蔵文化財などの保護と共通するところがある。同時に人間の活動が、生活、産業、軍事などの廃棄物による大気や水質の汚染によって、ほかの生物にも影響を与え、ひいては人間自身に影響が跳ね返り、それが特定の地域に限定されるものではないという生態学的認識から、自然保護と人間活動の関係を全地球的な規模で考えるべきである、という見方が強調されている。
 環境問題とも共通して、保護する自然とは何かをめぐっては、多くの異論があり、それに伴って保護という施策も異なることになる。もはや地球上には人間の影響の及ばない場所は残っていないとすれば、人間と対置される自然は存在しない。しかし、人間もまた生物の一種として自然の一部でもある。理念的な議論は空転する。1958年にイギリスの生態学者エルトンは、自分の信じる「自然保護」とは「可能な限りすべての地域において、生態学的な多様性を最大限にもった景観を保ちかつ増大させることである」と述べている。1980年代に入ると、生物の多様性を重視する考えが、生態系の理解においても自然保護においても唱導されるようになった。とはいえ現実には、保護の対象は具体的に指示することが必要とされ、適宜設定されることは免れない。[原田英司]

自然保護の施策

自然保護のためには、かなり古くからいろいろな施策がなされている。特定の古木や奇石を天然記念物として保存するというのは、1800年のフンボルトA. von Humboldtの発案に始まるといわれる。これは自然保護の考えとは無縁であるが、まったく無関係というものでもない。産卵繁殖期を禁猟や禁漁期に指定したり、繁殖地を禁猟区(鳥獣保護区)や禁漁区にするのは、狩猟鳥獣や水産動物の多くに対して行われており、あるいはまた、捕獲量に限度を設けて乱獲を避けようとすることも広く行われている。極端に減少して絶滅が心配されるようになれば、採捕をいっさい禁止するような措置もとられる。これらの方策には自然保護に通じるところもあるが、その第一の目的は、人間が活用すべき資源としての生物の保護確保に置くものとされる。一方、生息域が限られていたり繁殖力が弱いため、数が少なくなって絶滅のおそれのある生物を、天然記念物に指定して採集を禁止するのは、生物の種を保護しようとするものであって、その種に学術的な価値を認めることを主要な動機とすることが多い。1839年のドイツ動物保護協会の設立は、そのような志向の始まりとされる。
 このような特定の種だけを捕殺しないでおくやり方では、その種の保護にとって十分効果的でないことも生態学的観点から主張されていた。そこで、自然保護区を設定して、その中のすべての生物の採捕や伐採を禁止するのみならず、地形地物のいっさいの変更をも排除して保護を図ることも、世界各地で実施されているところである。人手の加わることが少なかった社寺林は、こうした保護区に類した価値を保持していると指摘されている。また、ナショナル・トラスト運動による保護地の取得も同様の効果をもつ。このような保護区が、人間の社会的活動を制限することになるのは避けがたいことで、たとえば観光資源としての活用といった企図をも排するほか、人間の立ち入りすらいっさい禁止している例もある。そのような保護区も、広さや配置、管理が適切でなければ効果的なものとはならない。1972年にユネスコ(国連教育科学文化機関)の総会で採択され、日本では1992年(平成4)に発効した「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)では、それらの有効な維持管理のために、ユネスコの「生物圏保護区」(biosphere reserve)の考えに従って、登録遺産地域を取り囲んで管理地域を設けるよう提言している。
 他方、このような制限は、景観の保全に寄与するものとなり、住民もそのような利益から、森林の伐採や土砂の採掘、海岸の埋立てなどを禁じて現状の自然の保護を求めることも少なくない。歴史的風土の保全や無秩序な市街化の防止などは、このような観点に沿うものである。移入種が在来固有の生物多様性を損なう原因となることも警告されている。また、酸性雨による森林の荒廃にみられるように、大気汚染や水質汚濁などは、保護区域の外で発生した事態が重大な影響を及ぼすことになるもので、人間の好適な生活環境の維持に対してのみならず、自然保護施策においてもそれを考慮した措置を講ずることが要求される。保護と開発は本質的には対立的で相いれず、場所を違えてしか実現しえないもので、その両立や調和を安易に考えることは妥当でない。しかし、いったん都市開発などが進んだ地域においては、緑地公園などを造成することが、自然的環境を取り戻す意味をもつことも否定できない。[原田英司]

日本における保護活動

日本では、「保護林設定に関する件 山林局長通牒(つうちょう)」(1915)、「史蹟(しせき)名勝天然紀念物保存法」(1919)に始まり、「国立公園法」(1931)、「海岸法」(1956)、「大気汚染防止法」(1968)、「水質汚濁防止法」(1970)、「自然環境保全法」(1972)など数々の法律や、都道府県あるいは市町村による風致規制など各種の条例が施行された。これらもなお十分とはされず、1974年(昭和49)に140以上の民間団体によって「自然保護憲章」が採択された。また、水鳥の生息地である湿地を守るためのラムサール条約(1971)や、希少な野生動植物の国際取引を規制するワシントン条約(1973)などにも、日本は締約国となっている。1993年(平成5)には「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法)が施行され、「国内希少野生動植物種」は政令で指定されることになった。
 最初の日本版レッド・データ・ブックとなった『我が国における保護上重要な植物種の現状』は、1989年(平成1)に日本自然保護協会と世界自然保護基金日本委員会によって発行され、日本の植物の17%にあたる895種が絶滅のおそれのある種として記載されている。環境庁(現環境省)では、1986年(昭和61)から4年間にわたって「緊急に保護を要する動植物の種の選定調査」を実施し、脊椎動物で250種・亜種、無脊椎植物で410種・亜種を選定し、91年(平成3)に『日本の絶滅のおそれのある野生生物―レッドデータブック―』の脊椎動物編・無脊椎動物編を刊行した。さらに、97年には、植物に関するレッド・リスト(レッド・データ・ブックの基礎となるリスト)をまとめ、絶滅のおそれがある種(絶滅危惧類および類)として1726種をあげ、2000年に『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物―レッドデータブック―』植物(維管束植物)編として公刊した。また、見直しの進んだ動物についても、同年『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物―レッドデータブック―』爬虫類・両生類編として刊行されている。さらにまた、各府県などの自治体も次々と独自のレッド・データ・ブックを編纂(へんさん)刊行している。
 こうした条約や法律の採択は、国際自然保護連合(IUCN)や諸種のNGO(非政府機関)、日本自然保護協会などの民間団体の活動に負うところが大きく、これらの団体による自然保護を進める活動が活発に続けられている。[原田英司]
『沼田真編『自然保護ハンドブック』(1976・東京大学出版会) ▽吉良竜夫著『自然保護の思想』(1978・人文書院) ▽秋道智彌編『自然はだれのものか――「コモンズの悲劇」を超えて』(1999・昭和堂) ▽沼田真著『自然保護という思想』(岩波新書) ▽石弘之著『地球環境報告2』(岩波新書) ▽我が国における保護上重要な植物種及び群落に関する研究委員会植物種分科会編『我が国における保護上重要な植物種の現状』(1989・日本自然保護協会) ▽環境庁自然保護局野生生物課編『日本の絶滅のおそれのある野生生物』無脊椎動物編・脊椎動物編(1991・日本野生生物研究センター) ▽環境庁自然保護局野生生物課編『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物』(2000・自然環境研究センター)』

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世界大百科事典内の自然保護の言及

【動物園】より

…またいくつかの園が協力して共通のテーマに取り組むケースも増えつつある。(4)自然保護 かつて動物園はその動物を収集するために,それが間接的であっても野生動物を捕らえていたのは事実である。しかしそれは,動物を減少させ,自然界のバランスを崩すほどの数ではなかった。…

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