船場汁(読み)せんばじる

世界大百科事典 第2版の解説

せんばじる【船場汁】

せんば〉または〈せんば煮〉などともいわれ,野菜と塩魚を汁たっぷりに煮たもの。代表的な材料ダイコン塩サバで,晩秋から冬へかけての上方の典型的な番菜(ばんさい)(惣菜(そうざい))とされた。材料が安直なところから,大阪の問屋街船場で重宝がられたので,この称があるとされるが疑わしい。室町後期の《証如上人日記》《津田宗及自会記》にはガン()およびヒラタケ(平茸)の〈せんばいり〉が記録されているが,これはそれらの材料をいりつけるように煮て,塩,ことに焼塩で調味したものだった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

船場汁
せんばじる

澄まし汁の一種。船場は大阪市内の地名で、商業の中心地である。昔、船場の商店主は自ら市場に行って塩サバを買い求め、適当に切ってダイコンの輪切りとともに鍋(なべ)で煮て、サバについている塩で調味したものを、従業員の給食の副食に用いた。現在もこの作り方を基本とはしているが、ダイコンは適当な大きさに切り、仕上げに少量の薄口しょうゆを加え、風味をよくする。また、タイ、スズキなど高級魚を用いた料理店の船場汁は、高級料理といっていい。これにかならず加えることになっているダイコンは、いちょう切りにしてある。[多田鉄之助]

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精選版 日本国語大辞典の解説

せんば‐じる【船場汁】

〘名〙 塩鯖(さば)の頭や中骨と短冊に切った大根を入れて作った潮汁(うしおじる)。材料を無駄なく用いた大阪の船場商人が作ったところからの名ともいう。せんば。

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