良知(読み)リョウチ

  • りょうち〔リヤウ〕
  • 良知 liáng zhī

世界大百科事典 第2版の解説

もとは《孟子》の中の語。人間が本来もっている判断能力をいう。王守仁(陽明)が良知心学を樹立してから,この良知が哲学概念としてひときわ重要になった。王陽明の場合,良知はもはや単なる知覚能力とか判断能力ではなく,人格的統一主体を意味する。王陽明がこの意味で,良知説を発見するのは49歳の時である。それ以前は人格的統一主体の意味をあらわす語としては心を用いて心即理と主張していた。これでは心のもつ背理可能性が危惧されるので良知とおきかえたのである。

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世界大百科事典内の良知の言及

【王学左派】より

…中国の陽明学,すなわち王学の学派。王守仁(陽明)の良知心学は,いっさいの教学の枠をこえるから,師説の受容とて各自の良知の判断にゆだねられる。だから,もともと一定不可変の内容を共有するものとしての〈学派〉とはなじまない。…

【陽明学】より

…この挫折体験を契機として,王守仁は万人が本来もつ自己能力により自己救済する実践論として,心即理知行合一説を提唱した。《朱子晩年定論》を著して朱子学と決別したのち,さらに致良知説を開発して強化した。良知とは万人が本来的に固有する完全なる自己実現・自己救済能力をいう。…

※「良知」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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