精選版 日本国語大辞典 「芝居町」の意味・読み・例文・類語 しばい‐まちしばゐ‥【芝居町】 〘 名詞 〙 劇場があり、またその関係者が住んだ町。江戸時代、取締りや防火の面から劇場は地域を限って許可されたため、それを中心に発達した町。江戸の木挽町・堺町・浅草猿若町、京都の四条、大坂の道頓堀などの類。[初出の実例]「元、私(わし)も芝居町(シバヰマチ)で海苔飯(のりめし)を売りましたから」(出典:歌舞伎・鴫立沢雪の対面(1863)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
日本歴史地名大系 「芝居町」の解説 芝居町しばいまち 北海道:渡島支庁函館市旧函館区地区函館芝居町[現在地名]函館市弥生町(やよいちよう)・船見町(ふなみちよう)明治五年(一八七二)二月に一町として公認された町で(同年「御達留」市立函館図書館蔵、「事業報告」第一編)、近世には山ノ上(やまのうえ)町の小名であったと考えられる(「蝦夷日誌」一編)。七面(しちめん)坂の通り(現在の弥生坂の通り)に沿い、天神(てんじん)町の通りを境に梅ヶ枝(うめがえ)町の南西(山手)に続いていた(明治六年函館旧市街図)。文化年間(一八〇四―一八)の初めに南部よりきた大石屋忠次郎の願いによって建てられた芝居小屋があり、坂東秀右衛門が座元として狂言を興行し(箱館夜話草)、これが町名の由来となった。 芝居町しばいまち 北海道:後志支庁小樽市小樽区芝居町[現在地名]小樽市若松(わかまつ)二丁目明治初年(同二年八月―同六年の間)より同三二年(一八九九)まで存続した町。若松町の南西にある。一八六五年(慶応元年)小樽内(おたるない)村の名主山田兵蔵が金曇(こんたん)町と奥沢(おくさわ)の間の畑地に道路を開削、のち幕府により請地とされ、六八年には星川座が設営されており、芝居町・新地(しんち)町と称されるようになったという(「小樽市史稿本」など)。明治三年芝居町が置かれたというので(状況報文)、この年正式に町名が認可されたのであろう。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報