花敷温泉(読み)はなしきおんせん

日本歴史地名大系 「花敷温泉」の解説

花敷温泉
はなしきおんせん

[現在地名]六合村入山

白砂しらすな川に長笹沢ながささざわ川が合流する標高約八四〇メートルの地にある山峡の温泉。無色透明の含食塩芒硝重曹泉で、摂氏五〇度。皮膚病などに効果がある。源頼朝が建久四年(一一九三)の三原野狩で西山まで猪を追込み、温泉を発見したと伝える。天正一八年(一五九〇)草津湯本氏所領高帳(湯本文書)に、「高弐百五拾文 花敷ノ平右衛門 石七升 銭五百八十五文」とみえる。

享保七年(一七二二)の吾妻郡略記(上原家蔵)に「熱湯也湯ヌルシ、女人惣テ身冷タルニ吉、(中略)深山ナルユヘ山桜五月半頃開ク、頼朝三原野狩ノ時詠シタフト云歌アリ、故ニ花布ト名ク」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「花敷温泉」の意味・わかりやすい解説

花敷温泉
はなしきおんせん

群馬県吾妻(あがつま)郡中之条町(なかのじょうまち)にある温泉。白砂(しらすな)川と長笹(ながざさ)川との合流点北岸、標高約860メートルに位置する。温泉は長笹川の河床から湧出(ゆうしゅつ)し、泉質塩化物泉。閑静な温泉で、付近平家(へいけ)の落人邑落(おちゅうどゆうらく)といわれる。国道405号が通じ、JR吾妻線長野原草津口駅からバス30分、野反湖(のぞりこ)への道筋にあたる。西に尻明温泉(しりあきおんせん)(尻焼温泉(しりやきおんせん))もある。

[村木定雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「花敷温泉」の意味・わかりやすい解説

花敷温泉
はなしきおんせん

群馬県北西部,中之条町中部にある温泉。吾妻川支流,白砂川沿いに湧く。泉質は石膏泉泉温は 43℃。胃腸病や皮膚病などにきく。閑静な環境から静養客が訪れ,また野反湖へのハイカーが利用する。

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デジタル大辞泉プラス 「花敷温泉」の解説

花敷温泉

群馬県吾妻郡中之条町、白砂川と長笹川との合流点にある温泉。源頼朝が発見したとの言い伝えがある。

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