大正・昭和期の染色工芸家(型絵染) 日本民芸館顧問;日本民芸協会理事;元・多摩美術大学教授;元・女子美術大学教授。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
染色工芸家。静岡市生まれ。東京高等工業学校図案科卒業。当初図案家を志したが、柳宗悦(やなぎむねよし)の著書『工芸の道』を読んで民芸運動に参画し、1928年(昭和3)には大礼記念国産振興博覧会で見た沖縄の紅型(びんがた)に触発されて、染色の世界に入った。紅型を基礎にした型染めによる農村風景や生活周辺の器具のほか、とくに装飾文字「いろは」「春夏秋冬」には定評があり、染色のほか、版画、装丁、家具設計、民芸品のコレクターとしても知られる。56年(昭和31)自ら創始した型絵染技法により重要無形文化財保持者に認定された。倉敷市の大原美術館の芹沢館(1963開館)、静岡市立芹沢銈介美術館に多くの作品が集められている。
[杉原信彦]
『水尾比呂志編『芹沢銈介作品集』五巻・別巻一巻(1978~80・求龍堂)』▽『『芹沢銈介全集』全31巻(1980~82・中央公論社)』
染色工芸家。静岡市生れ。1916年東京高等工業学校図案科を卒業。昭和に入って柳宗悦と親交を重ね,35年ころから民芸運動に参加,再三沖縄を訪れて紅型や赤絵を研究し,その手法をとり入れて型絵染を創始した。芹沢の型絵染は量産のための型染を超えて,型の表裏の利用,繰返しなどによって卓抜した意匠が構成される。また日本民芸館の家具設計,大原美術館の内外装,家具設計,装丁,版画など,その活動は多岐にわたり,民芸蒐集家としても知られる。第2次大戦後は多摩美術大学,女子美術大学などで後進の育成に当たり,58年型絵染技法による重要無形文化財保持者の指定をうけた。大原美術館芹沢館,静岡市の市立芹沢銈介美術館に多くの作品が集められている。
執筆者:伊藤 敏子
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