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葬式組 そうしきぐみ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

葬式組
そうしきぐみ

死者の葬送が十分にできるよう手を貸す近隣的な相互扶助集団。地域によって異なるが,普通は親族親類以上の広い範囲の近隣集団が構成の基準となっており,集落全体が葬式になっている場合と,の組織が地域的に組合わさっている場合があり,後者は五人組と一致する場合もある。こうした集団構成の相違だけでなく,葬送の際の協力のあり方や仕事の分担において親族,親類とそれ以外の地域集団の役割体系が異なっている場合もある。協力の内容は,(1) 死を知らせるための使いをたてる,(2) 葬具を準備する,(3) 炊事の手伝い,(4) 穴掘り役,(5) 弔い人の宿の提供,(6) 葬送の采配,(7) 会計,帳付けなどである。昔から村八分にあってもほかの二分 (火事,葬式) だけは問題外としており,その意味で葬式組の役割は相互扶助のなかでもかなり重要であった。今日でも,その役割や仕事の内容は変化して昔ほどではなくなってきたが,なお機能している場合が多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

そうしきぐみ【葬式組】

村落社会における葬儀執行のための近隣組織。無常講(むじようこう),不幸組(ふこうぐみ)あるいは単に講中ということが多い。葬式組として独自の組織の存在する所もあるが,一般的には村組や近隣組が葬儀に際し葬式組となる。葬儀の執行には,近隣,同族,親類,友人など死者の出た家をめぐる各種の社会関係が関与するが,そのなかで葬式組は葬儀の裏方をもっぱら担当する。おもな仕事としては,関係者への死亡通知,葬式道具の製作・準備,炊事,土葬の場合の穴掘りなどである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

葬式組
そうしきぐみ

葬儀の際の互助手伝いにあたる家仲間。不幸組、無常講、同行、講内、契約など地方によって呼び名もいろいろで、念仏講、庚申(こうしん)講などの信仰仲間が葬儀の互助協力を主とする形に転じたもの、あるいは「むら」集団自体やその内部の近隣互助仲間である「村組」から、葬儀手伝い人員規制のため分化した形など、その成り立ちも多様である。本来土葬を主とした民間の葬送手続は複雑で多数の合力を必要とした。しかも葬儀執行の主役である家族・親族関係者は「忌み」のためもあって、葬儀執行の実際上の世話役や働き手にはなりえない。埋葬の手続(野働き)や葬具調達、弔客接待、食事調製など(内働き)の部分は、血縁の薄い本・分家や近隣の家々が主体となり、とくに埋葬や下働きにはさらに多数の労力が要るので、近隣数戸の協力によりさらに大きな合力仲間ができる。葬式組はこうした労力調達の外延を画する協力仲間で、念仏信仰に結ばれる講仲間・同行衆がおのずからその部分(埋葬立会い)を受け持つ形にもなった。長野県などでは庚申講がそれにあたり、福島県磐城(いわき)地方の無常講などもその類(たぐい)である。もともと葬儀の合力は「むら」集団の重要な機能の一つで、どこでも一定の互助規制があり、小規模の「むら」では全戸、大規模の「むら」ではその内部の「村組」単位に行う形がむしろ一般的であった。葬式組、不幸組の多くはこうした合力人数を規制するため、のちに分割した仲間を編成することで生じ、その呼び名もおもにこうした仲間に即して用いられている。[竹内利美]

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