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蓋天説 がいてんせつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蓋天説
がいてんせつ

中国古代の宇宙観の一つ。天は蓋笠 (がいりゅう) のように地上をおおい,太陽その他の天体は一段高くなった北極を中心に回転運動をするという説。季節の推移は,太陽が動く円の半径の大小,すなわち観測地から太陽までの距離遠近により説明された。また昼夜の交代の説明も太陽までの距離の遠近によりなされた。つまり,太陽までの距離がある限界以上になると太陽の光が見えなくなり夜になると考えるわけである。周代の長い期間を通して発展してきた考えであるが,インドの須弥山 (しゅみせん) 説と類似点をもつ。『周髀 (しゅうひ) 算経』という中国の天文書に詳しく説明されている。

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デジタル大辞泉の解説

がいてん‐せつ【蓋天説】

古代中国で行われた宇宙構造観。方形平面の地を、円形で笠状の天がおおっているとみる説。

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世界大百科事典 第2版の解説

がいてんせつ【蓋天説 gài tiān shuō】

中国最古の宇宙論。天は広げた蓋(かさ)のようにまるく,地は碁盤のように四角だとした,天円地方に基づく第1次蓋天説と,天はドーム形(蓋笠)を,地は伏せた盤の形をしており,両者は同心球的な状態にあるとした第2次蓋天説がある。前者は周初には成立しており,後者は渾天説(こんてんせつ)の影響のもとに,前漢末ころにできあがったとされる。後漢末の趙爽が注釈をつけた《周髀算経(しゆうひさんけい)》に論じられていることから,蓋天説は周髀説とも称される。

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大辞林 第三版の解説

がいてんせつ【蓋天説】

殷周時代に唱えられていたと考えられる中国最古の宇宙構造説。丸く笠を広げたような形状の天が四角い地をおおっている(=天円地方)とするもの。のち、渾天こんてん説との是非をめぐる論議のなかで、地の形状も球面状のものとされるに至った。周髀しゆうひ説。 → 渾天説宣夜説せんやせつ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蓋天説
がいてんせつ

体系的な宇宙構造観としては中国でもっとも起源の古いもの。これについて述べた代表的な書物『周髀算経(しゅうひさんけい)』(後漢(ごかん)末から三国時代ごろの趙爽(ちょうそう)注)の巻上には、いわゆる第一次蓋天説が述べられ、天は円、地は方形の平行平面で、天体は天の北極を中心とする円軌道に沿って日周運動し、太陽の日周軌道円半径は冬至で最大、夏至で最小であると考え、南中時の太陽による、長さ8尺の髀(ひ)(季節・方位・時刻などを知るために地面に垂直に立てて用いた測定用の棒。表ともいう。西洋のノーモンにあたる)の影の長さは1000里北へ行くごとに1寸の割で長くなるとの前提から、比例計算によって、天の高さ8万里や、観測地から天の北極直下点および夏至の南中時の太陽の直下点までの距離その他を求めている。また、太陽の照らす範囲は有限で、太陽がこの距離以上遠ざかると夜になると説明する。巻下には、天は蓋笠(がいりゅう)(かさ)、地は伏せた槃(ばん)(平たい鉢)のようで、ともに中央部(北極)が盛り上がり(高さ6万里)、やはり8万里を隔てて平行をなすとする第二次蓋天説が述べられているが、これは渾天説(こんてんせつ)の影響を受け、それに対抗して案出されたと思われる。蓋天説に似た考えはインドの須弥山(しゅみせん)思想にもみられる。[宮島一彦]
『藪内清編、橋本敬造・川原秀城訳『科学の名著2 中国天文学・数学集』(1980・朝日出版社) ▽能田忠亮著『東洋天文学史論叢』覆刻版(1989・恒星社厚生閣)』

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世界大百科事典内の蓋天説の言及

【宇宙】より

…すなわち,〈実あれど処なきもの(無限の空間)は宇なり,長さあれど本剽(始めと終り)なきものは宙なり〉。 もっとも早い科学的な宇宙構造論は,蓋天(がいてん)説の名で呼ばれる。天地は互いに8万里隔たった平行な平面であり,天は円くて広げたカサのごとく,地は四角で碁盤のごとく,固形の天は北極を中心に左旋(東から西へ)し,日月は右行(西から東へ)する(《周髀(しゆうひ)算経》上巻,《晋書》天文志)。…

【中国天文学】より

…西洋ではギリシア以来,天動説や地動説といった宇宙論を中心に天文学が発達した。中国でも漢代に〈蓋天説〉や〈渾天説〉などの宇宙論があり,その後も〈宣夜説〉などの宇宙論が提唱されたが,あまり大きな発展はなかった。〈蓋天説〉によると,天地はたがいに平行で,中央が高くなる傘状の形をしているという。…

※「蓋天説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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