蓮華蔵世界(読み)れんげぞうせかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蓮華蔵世界
れんげぞうせかい

仏教用語。蓮華の象徴的意味から発展した世界観。『華厳経』の華蔵世界品では,この世界が具象的に精緻に描かれている。その大要は,世界の最底に風輪があり,その上に香水海があり,そこに咲く蓮華の上に世界が網の目のように広大無辺にあり,その中心に仏が出現する。その世界を哲学的に解釈し,独自の世界観を打立てたのが華厳宗法蔵である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル大辞泉の解説

れんげぞう‐せかい〔レンゲザウ‐〕【×蓮華蔵世界】

仏語。
華厳経に説く、一大蓮華の中に含蔵されている世界。毘盧遮那(びるしゃな)仏の願行によって現出した一種の浄土。蓮華蔵荘厳世界海。華蔵世界。
梵網経に説く、千葉(せんよう)の大蓮華からなる世界。盧舎那仏はその本源として蓮華座に座し、自身を変化させた千の釈迦が各世界で説法しているとする。蓮華胎蔵世界。蓮華海蔵世界。
浄土教で、阿弥陀仏浄土極楽世界。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

れんげぞうせかい【蓮華蔵世界】

〘仏〙
華厳経の説。この世界は、毘盧遮那びるしやな仏が過去に行なった修行と願によって実現した清浄な世界であり、巨大な蓮華の中にあるとする。
梵網ぼんもう経の説。千葉の蓮華があり、その一葉ごとに一世界があり、毘盧遮那仏がその中心にあって全世界を教化しているとする。
浄土宗で、阿弥陀仏の浄土のこと。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典内の蓮華蔵世界の言及

【ハス(蓮)】より

…弥勒(みろく)の浄土である兜率(とそつ)天にも七宝(しつぽう)の蓮華が説かれ,彼の大師子座の四隅からは蓮華が生じ,そこから宝女が現れると説かれる。毘盧遮那(びるしやな)仏のまします蓮華蔵世界は香水海に浮かぶ大蓮華から出生した世界とされ,先述の《マハーバーラタ》などにみられる神話との関係も指摘されている。一方,〈浄土〉とハスの結びつきは仏教に固有のものではなく,バラモン教の文献《ジャイミニーヤ・ブラーフマナ》(前9世紀ごろ)中の〈ブリグの地獄めぐり物語〉にみられるバルナ神の楽土の描写には,青蓮,白蓮の花に満ち,蜜の流れる川が登場している。…

※「蓮華蔵世界」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

上意下達

上位の者や上層部の命令・意向を、下に伝えること。⇔下意上達。[補説]この語の場合、「下」を「げ」とは読まない。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android