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京鹿子娘道成寺 キョウガノコムスメドウジョウジ

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デジタル大辞泉の解説

きょうがのこむすめどうじょうじ〔キヤウがのこむすめダウジヤウジ〕【京鹿子娘道成寺】

歌舞伎舞踊長唄藤本斗文作詞、杵屋作十郎・杵屋弥三郎作曲。宝暦3年(1753)江戸中村座で初世中村富十郎が初演。を舞踊化した、道成寺物の代表作。娘道成寺道成寺

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大辞林 第三版の解説

きょうがのこむすめどうじょうじ【京鹿子娘道成寺】

歌舞伎舞踊の一。長唄。通称、「道成寺」「娘道成寺」。藤本斗文とぶん作詞。1753年、江戸中村座で初世中村富十郎が初演。能の「道成寺」に取材した道成寺物舞踊の代表作。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

京鹿子娘道成寺
きょうがのこむすめどうじょうじ

歌舞伎(かぶき)舞踊劇。長唄(ながうた)。通称「娘道成寺」「道成寺」。藤本斗文(とぶん)作詞。初世杵屋(きねや)弥三郎・杵屋作十郎作曲。1753年(宝暦3)3月、江戸・中村座で初世中村富十郎が初演。紀州道成寺に伝わる安珍清姫(あんちんきよひめ)伝説の後日譚(ごじつたん)を扱った謡曲『道成寺』の舞踊化で、元禄(げんろく)時代(1688~1704)から数多くつくられた先行作の集大成版。初演のときは曽我(そが)狂言『男伊達初買曽我(おとこだてはつかいそが)』の一部分で、平家の臣尾形三郎の妹横笛が主人の若殿に恋慕して兄に殺され、その亡魂が白拍子(しらびょうし)に化して現れるという筋であったが、その後、別の狂言に結び付けられ多く演じられたすえに独立、演出も歴代の名優により洗練され今日に至った。
 内容は能『道成寺』の舞の部分を長く華やかな踊りに仕立てたもので、さまざまな小道具を使って江戸の町娘の恋を描くのがねらい。現代でもっともていねいな演出形式は、最初、竹本(ときに常磐津(ときわず))の地(じ)で、白拍子が道成寺へ着くまでの情景を花道で演じる「道行」に始まり、本舞台へくると、所化(しょけ)たちとの問答のあと長唄になって烏帽子(えぼし)をつけて乱拍子を踏む能がかりの舞が歌舞伎調にくだける「鐘に恨みは数々ござる……」以下、「いわず語らず……」の手踊、「恋の分け里……」の毬唄(まりうた)、「梅とさんさん……」の振出笠(ふりだしがさ)、「恋の手習い……」のクドキ、「おもしろや四季の眺め……」の羯鼓(かっこ)(山づくし)、「ただ頼め……」の手踊、「園(その)に色よく……」の鈴太鼓の踊りを経て「鐘入り」になり、鐘を引き上げると白拍子が蛇体の鬼女になって現れ、鱗四天(うろこよてん)と称する捕手(とりて)との立回りのあと、花道から荒事(あらごと)の豪傑が登場して蛇体を屈伏させる「押戻(おしもどし)」で終わる。ただし、「道行」「乱拍子」「ただ頼め」を省略、最後の「押戻」を省いて白拍子の姿のまま鐘の上に乗った形で幕にすることもある。長唄が名曲で変化に富み、振付けも引抜(ひきぬ)きなど衣装変化の技巧を多く使って女方(おんながた)の美を最大限に発揮するよう充実している。
 なお、この曲の大流行後、『奴(やっこ)道成寺』『二人(ににん)道成寺』『男女(みょうと)道成寺』など多くの変形が生まれ、先行の諸作品とともに「道成寺物」という一大系列になった。[松井俊諭]
『郡司正勝他編『道成寺』(1982・小学館)』

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