(読み)ベツ

デジタル大辞泉 「蔑」の意味・読み・例文・類語

べつ【蔑】[漢字項目]

常用漢字] [音]ベツ(漢) [訓]さげすむ ないがしろ
ばかにする。無視する。「蔑視蔑称軽蔑侮蔑

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蔑」の意味・読み・例文・類語

さげし・む【蔑】

[1] 〘他マ四〙 (「さげしみ(下墨・蔑)」の動詞化)
① 批評する。とやかく言う。
※諺草(1699)左「下墨(さげすみ) 物を評論して見る事を下墨て見ると云。番匠が直を見るとて、墨斗の糸をさげて見るにたとへたり。さげしみて見る、又さげすうて見る、並に誤」
※匠材集(1597)二「そこ 人をさけしむ心なり」
浄瑠璃井筒業平河内通(1720)三「人にさげしみ疑はるも、生素性のさもしきゆへ」
[2] 〘他マ下二〙 (一)②に同じ。
※言塵集(1406)三「おとしむると読り さげしむると世俗に云事歟」

ない‐が‐しろ【蔑】

〘形動〙 (「無きが代」の変化した語。人や物があってもないかのようにするさま)
① (多く「ないがしろにする」の形で) 無視するさま。軽んじあなどるさま。
※石山寺本蘇悉地羯羅経略疏天暦五年点(951)五「軽(かろ)み蔑(ナイガシロニスル)こと」
方丈記(1212)「福家の人のないがしろなるけしきを聞くにも」
人目を気にしないでうちとけたさま。しどけないさま。無造作なさま。
※枕(10C終)二五七「ないがしろなるもの。女官どもの髪上げ姿。唐絵の革の帯のうしろ」

さげしみ【蔑】

〘名〙 (「さげしみ(下墨)」から転じた語) =さげすみ(蔑)
浮世草子傾城禁短気(1711)二「女郎には能筆があれ共、芸子にはなきとのさげしみ」

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