




(べつ)+伐。
は眼に呪飾を加えている形で、媚女。戦争などのとき、この眉飾を加えた巫女たちが、敵陣に対して一斉に調伏の呪儀を行った。卜辞には媚人三千をして敵方を望んで呪祝させたとしるすものがある。戦いが終わると、敵方の媚女を捕らえ、その呪力を消滅させるために、これを殺した。そのことを蔑といい「蔑(な)し」とよむ。両禾(りようか)軍門の前で殺すことがあり、それで
(べつ)ともしるされている。そのことはまた著しい軍功でもあるので、軍功を旌表(表彰)することを「蔑暦(べつれき)」という。
は両禾軍門の前で誓告することで、軍功をいう。〔説文〕四上に蔑について「勞目、
無きなり。
(べつ)に從ふ。人勞するときは則ち蔑然たり。戍(じゆ)に從ふ」とするが、卜文・金文の字形は下部を伐に作り、伐はのちにも「伐閲(べつえつ)」のように蔑の音でよみ、軍功を旌表することをいう。門閥の閥を、〔玉
〕にベツの音でよんでいる。
師
、多々良女(たたらめ)(箋注)
は乃ち米久曾(めくそ)、多々良女(たたらめ)の兩義
り 〔名義抄〕
アツマル・ナイガシロ・ナイガシロニス・ナミス 〔字鏡集〕蔑 ナミス・アナヅル・ナイガシロ
・
・
・
など八字を収める。
(べつ)は汚血、
は軽易の義で、蔑の声義を承ける字である。
(べつ)は蔑の繁文として卜文・金文にみえ、伐旌の意であるが、〔説文〕七上に「禾なり」とする。それならば別義の字である。
miatは慢・
meanと声近く、侮
の意がある。また滅miat、
(亡)miuangとも声義が通じ、滅亡の意がある。蔑は亡国の巫女を殺す形の字である。なお、否定詞として
・罔のほか、無・无・毋miua、
mak、靡miai、末muat、未・勿miu
tなどは同系の語である。
▶・蔑縷▶・蔑暦▶


と名づくる
るならん」という。用義例のない字である。金文に功暦を旌表(表彰)することを「蔑
(べつれき)」といい、字はまた「
」に作る。禾は軍門。両禾は軍門の象で、
(暦)は両禾の形に従う。禾は今の華表の形とみてよい。蔑字条参照。
暦▶出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
[名](スル)二つ以上のものが並び立つこと。「立候補者が―する」「―政権」[類語]両立・併存・同居・共存・並立・鼎立ていりつ...