出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報
書物の所蔵者が所蔵の本に押印して所有をあらわす印章。東洋に発達したもので,印材には玉,石,金属,骨,牙,貝殻,木,竹などが用いられた。日本の蔵書印で古いものは,正倉院御物にみる光明皇后(701-760)の〈積善藤家〉〈内家私印〉などが知られ,また,横浜市の金沢称名寺の〈金沢(かねさわ)文庫〉という長方形の2種が著名である。蔵書印はだいたい蔵書家の姓か,雅号か姓名または文庫名を入れたものが多いが,ときには書物に対する希望や警句などを入れたものもある。紀州藩士長沢伴雄の〈我死ナハウリテ黄金ニカヘナヽム,オヤノ物トテ虫ニハマスナ。長沢伴雄蔵書記〉,伴信友の〈コノフミヲカリテミムヒトアラムニハ,ヨミハテヽトクカヘシタマヘヤ。若狭酒井家々人伴氏蔵本〉などはよく知られている。
→蔵書票
執筆者:庄司 浅水
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
書籍の所有を明らかにするために、所蔵書に押捺(おうなつ)する印章をいう。蔵書票がヨーロッパで行われたのに対し、蔵書印は東洋で発達した。中国の影響を受け、わが国では奈良時代からの存在が知られており、光明(こうみょう)皇后の「積善藤家」「内家私印」や、「東大寺印」「西大寺印」が古い例である。蔵書印は明治初期まで盛んに用いられたが、書籍の伝来や価値を判定するうえで重要な資料となる場合が少なくない。印材には玉(ぎょく)・石、銅・金・銀などの金属、象牙(ぞうげ)、竹、木などが用いられたが、形態、印文、書体は多種多様である。印肉は朱、墨、緑、茶など各種のものが使われている。
[朝倉治彦]
『小野則秋著『日本の蔵書印』(1977・臨川書店)』
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…歴史的には朱印が正式とされ,略式の黒印より優位にあって,庶民階級は明治以降はじめて朱印の使用を公認された。古代の黒印は蔵書印にのみ見えるが,これは二次的な印章としての使い方である。しかし,中世前期には一次的な印章たる黒印として花押を版刻した花押印が便宜的略式印として文書に使われはじめた。…
※「蔵書印」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新