菜蕗(読み)フキ

デジタル大辞泉 「菜蕗」の意味・読み・例文・類語

ふき【菜蕗/蕗/富貴/布貴】[曲名]

箏曲そうきょく八橋検校作曲。源氏物語和漢朗詠集などに取材した7連の歌からなる。箏組歌ことくみうたの代表曲で、表組の第1曲。菜蕗組越天楽えてんらく
筑紫流箏曲原曲で、歌詞一部異なる。

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精選版 日本国語大辞典 「菜蕗」の意味・読み・例文・類語

ふき【菜蕗・蕗・富貴・布貴】

  1. 箏曲の曲名流派により歌詞・曲調・曲名の字が違う。
  2. [ 一 ] 八橋検校作曲の組歌の代表曲。表組に属する。「ふきというも草の名」という歌で始まる。「源氏物語」「和漢朗詠集」などに取材した七歌から成る曲。八橋流以後、生田流山田流でも演奏。「菜蕗」と書くことが多い。菜蕗組。別名越天楽。
  3. [ 二 ] ( 布貴 ) 筑紫流箏曲。八橋の曲の原曲で、手が少し単純。[ 一 ]にはない「深更に月冴えて」の歌がある。別名越天楽。

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改訂新版 世界大百科事典 「菜蕗」の意味・わかりやすい解説

菜蕗 (ふき)

箏曲の曲名。富貴,蕗,布貴などとも書く。《越天楽(の曲)》ともいう。箏伴奏の〈越天楽歌物(うたいもの)〉が組歌形式の歌曲に発展した過程を示すものの最古典曲。賢順作曲の筑紫箏の第1曲であり,八橋検校作曲の組歌の第1曲でもある。現行の伝承では,表組の第1曲。7歌からなり,第1歌を序歌とすることもあり,さらに,序と称する32拍子(1歌の半分。64拍)の前奏が付けられることもある。第2歌,第3歌,第7歌は,能《咸陽宮(かんにようきゆう)》琴の段にも引かれる。なお,菊岡検校または光崎検校作曲と伝えられる三味線曲《夕べの雲》(清水某作詞)を打ち合わせることもできる。
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百科事典マイペディア 「菜蕗」の意味・わかりやすい解説

菜蕗【ふき】

箏曲の曲名。八橋検校が作曲した箏組歌13曲の第1曲。筑紫箏の同名の曲を八橋検校が改訂したもので,組歌の中で最も有名な曲の一つ。歌詞は筑紫箏のものとほぼ同じで,《源氏物語》,《和漢朗詠集》などから取材している。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「菜蕗」の意味・わかりやすい解説

菜蕗
ふき

箏曲の曲名。「蕗」「草蕗」「富貴」「布貴」とも書く。筑紫箏および一般の箏曲の組歌の代表曲。別名『越天 (殿) 楽 (えてんらく) の曲』。雅楽『越天楽』の箏を弾いて,管楽器唱歌 (譜唱) を歌う代りに,意味のある歌詞をあてはめることから発生したと思われる「越天楽謡物 (うたいもの) 」の寺院歌謡を原流とし,筑紫箏を経て,八橋検校改調による箏曲の最初の曲となったもの。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「菜蕗」の解説

菜蕗 (フキ・ナブキ)

学名:Petasites japonicus
植物。キク科の多年草,園芸植物,薬用植物

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