襟巻(読み)エリマキ

デジタル大辞泉 「襟巻」の意味・読み・例文・類語

えり‐まき【襟巻(き)】

防寒または装飾用に首に巻くもの。毛糸毛皮絹布などで作る。首巻きマフラー 冬》
[類語]マフラー首巻き

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精選版 日本国語大辞典 「襟巻」の意味・読み・例文・類語

えり‐まき【襟巻】

  1. 〘 名詞 〙 寒さを防ぐため、また、装飾のために首の回りに巻くもの。布、毛皮などで作る。首巻。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「襟巻に首引き入て冬の月〈杉風〉」(出典:俳諧・猿蓑(1691)一)

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改訂新版 世界大百科事典 「襟巻」の意味・わかりやすい解説

襟巻 (えりまき)

寒さを防ぐためや装飾として首,肩の回りに巻くものの総称。首巻ともいうが,いわゆる肩掛けとの区別も定かでなく,一般には同義に用いられる。西欧で15世紀に,女性が顔の下部を覆った四角の白布をマフラーと呼んだ。近世になると,マフラーは男子のクラバットネクタイ)にもなり,フランス革命期には黒い布であごから首をすっぽりと覆い巻きつけた。この時代に,カシミア製のショールや狐など毛皮の襟巻が,当時流行していた女性の薄地モスリン製のドレスの防寒具となり,肩にかけたり,首から長く垂らしたりして用いられた。19世紀に肩掛けとしてのショールが一般化し,毛織物,レースなど,房飾のついた装飾性の強いものも用いられた。1910年代には,ミンクの襟巻がイブニングドレスなど高級ファッションに用いられた。

 日本では,襟巻は首巻と称されてきたが,もともと首回りだけを保護するものとしての首巻は,発達しなかった。古くから首や肩の保護には,ずきんが用いられたり,ふろしき,手ぬぐいで覆ったりしていた。明治に入り,西欧から肩掛け(ショール)がもたらされ,1873年には,毛皮の襟巻が売られた。以来肩掛けは明治中期から防寒具として流行し,ねずみ色,えび茶,肌色などのネル地で上半身をくるむほどの大きさであった。今日では防寒,装飾など用途によって,また,大きさ,形などからショール,ストール,マフラー,スカーフネッカチーフボアなどがある。ショールは和装用として使われるものをいい,長方形が多い。ストールはとくに長い長方形や三角形のものをいう。マフラーはおもにウールなどの厚地のもので防寒のためコート下などに用いる。正方形や長方形の薄手のものはスカーフ,小型のものをネッカチーフと呼んでいる。南米産の大ヘビから名づけられたボアは,毛皮や羽毛などの柔らかくて長い丸みのある首巻をいう。いずれも毛織物,絹,編物,レース,化学繊維など素材も多様で,男女ともに広く用いられている。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「襟巻」の意味・わかりやすい解説

襟巻
えりまき

主として防寒用として、男女が襟に巻いたり、肩にかけたりする服飾品。江戸時代には首巻といって、老人や僧侶(そうりょ)が厳寒のおりに、首にぐるぐると巻いた。都会でも昭和初期までは洋服姿のとき、薄い絹地のものをこのようにして巻いたものである。江戸時代の首巻は白や色無地の絹地を利用したが、明治時代、欧米文化の流入によって、鹿鳴館(ろくめいかん)の洋装モードが社交界を風靡(ふうび)するようになってからは、毛糸編みや毛皮製品が用いられるようになった。しかし、ミンク、リスなどの高級毛皮が襟巻として登場するのは大正から昭和にかけてのことである。現在では、毛皮の高級品から毛糸編みの庶民的なものまでその種類も多く、これにも流行がある。

[遠藤 武]

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百科事典マイペディア 「襟巻」の意味・わかりやすい解説

襟巻【えりまき】

防寒と装飾を兼ねて衿元に巻くものの総称。ラクダ,カシミヤなど肌ざわりのよい毛織物や毛糸編物,ジョーゼットなどの絹,ナイロンなどが用いられる。また用途,大きさ,形などによってショールストール,マフラー,スカーフネッカチーフなどに分かれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「襟巻」の意味・わかりやすい解説

襟巻
えりまき

「ショール」のページをご覧ください。

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