観音平・天神堂古墳群(読み)かんのんだいら・てんじんどうこふんぐん

日本歴史地名大系 「観音平・天神堂古墳群」の解説

観音平・天神堂古墳群
かんのんだいら・てんじんどうこふんぐん

[現在地名]新井市宮内 観音平、籠町 天神堂など

南葉なんば山系丘陵の末端、東側斜面の山麓台地に分布する。国指定史跡。観音平の北は谷を挟んで青田あおた古墳群に接し、南は谷を隔てて百両山ひやくりようやまうえたいらの両竪穴群、さらに山裾に沿って天神堂古墳群に続く。観音平地区の古墳群は宮内みやうち地内に所在し、比高約三七メートルの尾根上に一一基が一直線に、比高約一五メートルの台地先端部の緩斜面に大小二七基が群集している。発掘調査が実施されず、副葬品の出土は不明である。頸城くびき古墳群中いちばん保存状況がよい。天神堂地区の古墳群は乙吉おとよし籠町かごまち地内の一一八基が比高九五メートル、一五ヘクタールの地域内に群集し、北西山側にさめ城跡南方では万五郎まんごろう谷内林やちばやし小丸山こまるやま各古墳群に囲まれ、頸城古墳群のなかで数において最大である。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「観音平・天神堂古墳群」の解説

かんのんだいらてんじんどうこふんぐん【観音平-天神堂古墳群】


新潟県妙高市宮内・青田・籠町にある古墳群。頸城(くびき)平野の西縁は、西に妙高火山麓が裾野として広がり、周辺の傾斜地には中世の鮫ヶ尾城や弥生時代の集落跡である斐太(ひだ)遺跡があり、斐太遺跡の北と南に接してこの大古墳群がみられる。大正時代の分布図作成以来、数次の調査が行われ、北に位置する観音平古墳群では53基、南の天神堂古墳群では106基の古墳が確認され、両群とも最高所の古墳は標高100mを超える場所に築造されている。1999年(平成11)に発見された観音平1号墳は全長約27mのめずらしい帆立貝形前方後円墳で、古墳時代前期の3世紀後半築造の可能性がある。1957年(昭和32)の調査で判明した天神堂6号墳は、直径20mを超える古墳群最大規模の円墳で、石室はなく、土師器(はじき)片が出土した。1978年(昭和53)に北陸地方の大規模な古墳群として国史跡に指定されたが、先行する弥生時代の墳丘墓も認められ、前方後円墳の発見によって、より重要な遺跡となっている。JR信越本線新井駅から車で約10分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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