液体や粉類の容量を計るためのカップで,おもに料理用に使われる。材料を正確に計って料理をするという習慣は,日本では料理学校の草分けである赤堀割烹(かつぽう)教場(1882創立)において初めて試みられたとされている。以後,ちょこ,コップ,スプーンなどを基準として分量が示されたが,寸法や計り方が一定せず,おおまかな目安にしかならなかった。第2次世界大戦直後,香川綾(かがわあや)(女子栄養大学創立者)の考案によりメートル法を用いた計量カップ,計量スプーンが作られ,今日普及しているものの原型となった。昭和30年代には電気がまの爆発的な普及により,付属していた計量カップも同時に広く一般にいきわたった。現在市販のものは50~1000㏄を中心として各種あるが,200㏄のものが標準で,〈1カップ〉といえば通常これを指す。材質はステンレス,アルミニウム,プラスチック,耐熱ガラスなどがあり,金属製のものは熱伝導がよいため湯煎(ゆせん)などにも使える。粉類はいったん山盛りにしたあと,盛り上がった部分をすり切りにして計るのが正しい使い方である。なお計量スプーンは,大さじ(15㏄),中さじ(10㏄),小さじ(5㏄)がよく使われる。
執筆者:佐々田 道子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
容量を量るためのカップ状の調理器具。材質はプラスチック、金属、ガラスなどである。標準は200ミリリットルで、ほかに400ミリリットル、1リットルなどもあり、普通50ミリリットルごとの補助目盛りがついている。少量のものは計量スプーンを用いるが、計量スプーンは5ミリリットルと15ミリリットルが標準で、前者が小さじ、後者が大さじとよばれている。
計量カップでの計量は、量り方によって大きな誤差が生じるため注意しなければならない。とくに、小麦粉などの粉体や米のような粒体を量るような場合は、かならず軽く入れて上部をすり切りにし、粉などはいったんふるったものを量るようにする。カップですくい取ったり、たたいて詰めてしまうと多く計量されることがある。また計量スプーンで何杯も量るのも不正確となる。
[河野友美]
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