(読み)シ

デジタル大辞泉 「試」の意味・読み・例文・類語

し【試】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]こころみる ためす
学習漢字]4年
こころみる。ためす。「試案試験試作試算試写試食試問試用考試
試験のこと。「追試入試
「する(為る)」の連用形「し」に当てたもの。「試合
[名のり]もち

し【試】

ためすこと。試験。
「三十歳で太原から出て、始て進士の―に応じた」〈鴎外魚玄機

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精選版 日本国語大辞典 「試」の意味・読み・例文・類語

こころ‐み【試】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「こころみる(試)」の連用形の名詞化 )
  2. こころみること。ためしに行なうこと。ためし。試験。
    1. [初出の実例]「すゑふさ、心みのだいたまはりて、ひとり舟にのせられていでたり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)
    2. 「ことに的弓の上手なり〈略〉心みあるに、大かた一度もはづさず」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)七)
  3. 雅楽予習のために演ずること。試楽。
    1. [初出の実例]「御前のこころみの夜の御髪上」(出典:枕草子(10C終)一五六)
  4. 食事をすること。また、その飲食物。
    1. [初出の実例]「侍の料とて、あしくもあらぬ饗一二膳ばかり据ゑつ〈略〉講師の御心みとて、こだいなる物据ゑたり」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)九)
  5. 試飲、試食をすること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「恐れながら童子へも御酒ひとつ参らせん。御心みのために」(出典:御伽草子・酒呑童子(室町末))
  6. 計画。はかりごと。
  7. 信仰決心や固さをためす試練
    1. [初出の実例]「我儕を試探(ココロミ)に遇(あは)せず悪より抜(すくひ)出し給へ」(出典:引照新約全書(1880)馬太伝福音書)

し【試】

  1. 〘 名詞 〙 ためすこと。試験。
    1. [初出の実例]「宇治左大臣、東三条にて学問料の試をおこなはれけり」(出典:古今著聞集(1254)四)
    2. [その他の文献]〔五代史‐李懌伝〕

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普及版 字通 「試」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音]
[字訓] もちいる・こころみる

[説文解字]

[字形] 形声
声符は式(しき)。式は呪具の工を用いて清め、払拭する意。〔説文〕三上に「用ふるなり」、前条に「課は試なり」とあって試用の意とする。もと行為に先だって神意を問う呪儀。その結果によって実行に移されるので、古くは用いる意であった。〔礼記、楽記〕「兵革試(もち)ひず」、〔緇衣〕「刑試(もち)ひずして、民悉(ことごと)くす」のようにいう。〔周礼、夏官、人〕「其の弓弩を試む」は課試の意。弑(し)と通用することもあり、式がその呪具を用いる方法であった。

[訓義]
1. もちいる、あてて使う。
2. こころみる、ためす。
3. くらべる、しらべる、さぐる。
4. 弑と通じ、ころす。

[古辞書の訓]
名義抄〕試 ココロミル・トトノフ・モテ・ヤブル・モチヰル/嘗試 ココロミニ

[語系]
試sjik、弑siは声近く、ともに呪具の式を用いる呪儀をいう語であろう。

[熟語]
試較・試官試看・試観・試期・試業・試経試芸・試剣・試験試功・試才・試策・試紙・試児試守・試周試署試渉試帖・試新・試探試胆・試茶・試中試判・試筆試補試墨・試問・試用試吏・試練・試・試録
[下接語]
按試・閲試・応試・加試・可試・科試・会試・試・監試・簡試・観試・厳試・口試・考試・更試・校試・貢試・歳試・策試・私試・自試・召試・奨試・嘗試・身試・親試・省試・帖試・試・選試・台試・徴試・呈試・廷試・庭試・特試・入試・発試・覆試・補試・墨試・明試・面試・覧試・臨試・令試・歴試

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