(読み)ゴ

デジタル大辞泉 「誤」の意味・読み・例文・類語

ご【誤】[漢字項目]

[音](呉)(漢) [訓]あやまる
学習漢字]6年
あやまる。あやまり。「誤解誤差誤字誤謬ごびゅう誤報過誤錯誤正誤

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「誤」の意味・読み・例文・類語

あやまり【誤】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「あやまる(誤)」の連用形の名詞化 )
  2. 道理からはずれたこと。正しくないこと。また、正当でないこと。まちがい。
    1. [初出の実例]「後の時に、仏と成るといふに、何の爽(アヤマリ)がある」(出典:百法顕幽抄平安中期点(900頃))
    2. 「みなむすびといふは〈略〉になといふはあやまりなり」(出典:徒然草(1331頃)一五九)
  3. 正しくない行為。まちがった行為。特に男女間での倫理的なまちがい。
    1. [初出の実例]「宮の〈略〉人の見奉るも、あやしかりつるほどのあやまりを、まさに人の思ひとがめじや」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
  4. ( 「心あやまり」「心地あやまり」の形で ) 病気などのために、心が異常な状態になること。気ぐるい。
    1. [初出の実例]「いとまめに〈略〉、あだなる心なかりけり。〈略〉心あやまりやしたりけむ、親王(みこ)たちの使ひ給ひける人をあひいへりけり」(出典:伊勢物語(10C前)一〇三)
  5. けが。傷。
    1. [初出の実例]「少人(しゃうじん)にあやまりも、あればとぞんじ、左の袂に、しるしを付置(つけをく)のよし、申あぐる」(出典:浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)二)
  6. やりそこない。失敗。失策。あやまち。
    1. [初出の実例]「もとよりかみゆひ、さかやきはめいじん也。すこしもあやまりなかりけり」(出典:咄本・当世はなしの本(1684‐88))

誤の語誌

( 1 )広い意味で「正しく」ないことを表わす名詞に「誤り」「過ち」「間違い」などがある。
( 2 )「誤り」は、文章や図形などの表現、また人の行動を部分や手順などに分解して見たとき、個々の部分・手順がその表現・行動の目的にとってふさわしくないと判断されたときに用いる。
( 3 )「過ち」は主に人の行為についていうもので、行為自体や行為の結果が不正であり、その責任が行為の主体に求められる場合に用いる。「誤り」は訂正すれば正しい姿にすることができるが、「過ち」は、繰り返さないようにすることはできても、訂正することはできない。
( 4 )「間違い」は「誤り」「過ち」の両方と交替可能であるが、なお広く、本人の責任外の不都合も含めることがある。

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普及版 字通 「誤」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 14画

(旧字)
14画

[字音]
[字訓] あやまる

[説文解字]
[その他]

[字形] 形声
声符は(呉)(ご)。は祝の器((さい))をささげて舞い祈り、エクスタシーの状態となることをいう。その言は正常でないことが多かった。〔説文〕三上に「(あやま)りなり」とあり、とは繆(もつ)れて論理が乱れることをいう。〔子、正論〕に「是れ特(た)だ姦人の亂(まど)ひて、以て愚を欺くなり」と、言説に惑わされる意とする。

[訓義]
1. あやまり、あやまる。
2. 人をあやまらせる、まどわす。

[古辞書の訓]
名義抄 アヤマツ・アヤマリ・アヤマル・アザムク・ヤム 〔立〕 アヤマツ・ヤム・マウク・イツハル・タハヤスシ

[語系]
ngaは同声。(娯)・(虞)ngiuaも声が近く、みなの声義を承ける語である。

[熟語]
誤殺・誤事誤失・誤写誤售・誤書誤拿誤脱誤認誤筆・誤・誤乱誤惑
[下接語]
訛誤・過誤・乖誤・刊誤・欺誤・疑誤・驚誤・闕誤故誤・錯誤・正誤・舛誤脱誤・微誤・誤・弁誤・迷誤

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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